古くから生薬として用いられてきた「霊芝」は、マンネンダケとも呼ばれることがあるキノコです。中国や台湾などで研究が行われており、免疫を高める、炎症を抑える、血液の凝固を抑える、血圧を安定させるなど、さまざまな効果が期待されています。がん患者の免疫を高めるという報告もあり、がんに対する効果についても数々の研究が行われてきました。そこで、この記事ではいくつかの研究を例に挙げて、霊芝に期待されている作用について見ていくことにしましょう。
マンネンタケ科に属するキノコである霊芝(レイシ)は、中国や日本で生薬として用いられてきました。中国では紀元前200年から記述が見られるほど、歴史が古い漢方食材です。別名「マンネンダケ」と呼ばれることもありますが、キノコの一種ではあるものの、成長して乾燥させたものを霊芝として用いるだけで、直接の食用には向きません。
世界で初めて霊芝の人口栽培に成功したのは、当時京都大学食糧化学研究所の直井幸雄氏。それ以降、さまざまな国で栽培されるようになり、多くの基礎研究や臨床研究が行われています。民間薬や健康食品としても用いられているため、霊芝を用いたサプリメントなどを目にしたことがある人も多いでしょう。
これまで行われてきたさまざまな研究により、霊芝には下記のような作用が期待されています。
霊芝は、血液をきれいにすることで血液の粘りを減らし、血管の柔軟性を回復させることから、血圧を安定させる効果があると言われています。降圧剤のように無理に血圧の数値を下げるわけではない点にメリットがあるとされています。
短期間でも、霊芝を投与することによって、高脂血症に対しても一定以上の改善効果があることが明らかになっています。
アレルギー反応の原因となるのは「ヒスタミン」と呼ばれる物質の働き。霊芝は、このヒスタミンの働きを抑えたり、皮膚炎を抑制するといった作用があるとされています。
霊芝は、インターロイキン2と呼ばれる物質の産生を高めることにより、免疫力を高めることができます。インターロイキン2は、悪性腫瘍や免疫不全の治療に用いられる物質です。
高脂血症ラットにおいて肝梗塞や肝静脈血栓の発生を抑える、という働きがあることも、実験により報告されています。
霊芝は、がん治療の現場において免疫系を維持するサプリメントとして推奨されているという現状があります。ここでは、霊芝とがんに関するさまざまな研究内容をご紹介します。
広島大学大学院医歯薬学総合研究科のグループによると、霊芝の菌糸から抽出されたエキスには大腸がんを予防する可能性があると報告されています。これは、がんの前段階である腫瘍の発生や成長を抑える効果が確認できたことによるもの。今後臨床試験によってさらなる検証を行いたい、としています。
他にも、霊視の有効性を示唆する研究や報告は多数存在します。下記の報告は、がん患者の長期生存や腫瘍反応など、霊芝(G.lucidum)の臨床効果や有害事象を確認するために行われた研究です。
抗癌レジメンを受けている患者において、G. lucidum投与群では非投与群よりも化学療法や放射線療法に反応する可能性が1.27倍高かった。しかし、G. lucidum単独では、腫瘍縮小に対する有意な効果を示すデータはなかった。また、G. lucidumはCD3、CD4、CD8リンパ球の割合を大幅に増やすことで宿主免疫能を活性化する可能性がある。一方、腫瘍細胞に対する自己防衛の指標と考えられているナチュラルキラー(NK)細胞活性の上昇はわずかであった。G. lucidum群の患者はコントロール群の患者よりも生活の質が比較的良好であった。悪心や不眠など、G. lucidumによる軽度の副作用がわずかに報告された。
また、前述のように、中国において霊芝は薬として用いられています。下記の研究は、乳がんの患者が感じている倦怠感に霊芝胞子粉がどのように作用するのかを調べたもの。対象となったのは乳がん患者48名で、霊芝胞子粉を摂取するグループと摂取しないグループ(プラセボ群)にわけ、4週間後にアンケートとデータを収集したものです。
霊芝胞子粉は中国で広く使用されている伝統薬である担子菌の一種である。内分泌療法中でガン癌関連倦怠感のある乳癌患者48名を実験実薬群または対照プラセボ群に無作為に割り付けた。治療開始時および4週間後に、FACT-F、HADS、EORTC QLQ-C30のアンケートデータを収集した。介入前後にTNF-αとIL-6の濃度、肝臓・腎臓機能を測定した。実験実薬群において、介入後に身体的健康および倦怠感サブスケールに統計的に有意な改善がみられた。これらの患者からは、不安感や抑うつ気分の軽減および生活の質の改善も報告された。CRFの免疫マーカーであるCRFは有意に低下し、試験中に重篤な副作用は起こらなかった。
上記の試験では、霊芝胞子粉が重大な副作用なく、内分泌療法を行っている乳がん患者において、がんに関わる倦怠感を緩和し、生活の質(QOL)を向上させる可能性があると結論づけられています。
また、がんへの有用性が期待されているものの、ヒトに対する有用性については信頼性がおける十分なデータが見当たらない、という説もあります。
まずご紹介するのは、非転移性前立腺がんの治療後に、再発が認められた患者を対象とした研究です。対象者は霊芝を含有したサプリメントと、アガリクスキノコの抽出物を含有したサプリメントのいずれかを6ヶ月間摂取。試験前と試験後に、血清中の前立腺がんのマーカーとして用いられる「前立腺特異抗原(PSA)」のレベルと、「PSA倍加時間」を測定したものです。
根治的前立腺切除術後の患者51名が参加した。うち47名がプロトコールを完了し、評価が可能であった。32名の患者は仙生露を投与され、残りの15名には鹿角霊芝が投与された。PSAに関しては、部分奏功は認められなかった。 PSA倍加時間の変化は血清テストステロンレベルの変化と相関しなかった。重篤な副作用は観察されなかった。
この実験では上記のような結果が出たことから、「霊芝」と「アガリクス」による優位な抗腫瘍効果は認められなかったと結論づけられました。
また、ニュージーランドでも、霊芝ががんに対してどのような作用を発揮するのかを調べる研究が行われています。この試験では、水溶性の霊芝多糖類が進行肺がん患者の免疫機能にどのように作用するのかを調べるためのものです。
36名の患者が参加し、5.4g /日のGanopolyによる治療を12週間受けた。試験を完了した30名の癌患者において、Ganopoly治療によってフィトヘマグルチニンに対する平均分裂促進反応性、CD3、CD4、CD8、CD56の平均数、インターロイキン(IL)-2、IL-6、インターフェロン(IFN)-γの平均血漿濃度、NK活性に有意な変化はなかったものの、これらの結果は著しいばらつきがあった。
上記のように、有意な変化は見られなかったとしているものの、この研究では化学療法や放射線療法と併用する場合には有効である可能性も示唆しています。
しかし、一部の癌患者では免疫機能の顕著な調節がみられた。IL-1の変化はIL-6、IFN-γ、CD3、CD8、NK活性の変化と相関しており(P <0.05)、IL-2の変化はIL-6、CD8、IL- NK活性の変化と相関していた。これらの結果から、化学療法/放射線療法と併用したGanopolyは癌患者のサブグループに対して有効である可能性が示唆される。
以上のことから、肺がんの患者における単独の治療、また化学療法・放射線療法を併用した場合の有効性と安全性をさらなる研究によって確認することが必要である、と結論づけられました。
さらに、霊芝を使用したサプリメントを服用することで消化器系のがんや卵巣がんにおいて出現する腫瘍マーカー「CA72-4」が上昇したという報告もあります。
市販のハーブサプリメントである霊芝胞子(GLS)は、中国で癌患者に広く使用されている。 前臨床試験では安全と示されているが、GLSが完全に安全であるというデータはまだない。ここでは、2010年から2011年の間にGLSに加えて複数の治療法を行った消化器癌5例を報告する。これらの患者は、GLSを1日2回、1ヶ月または2ヶ月経口摂取した後に、血清腫瘍マーカーCA72-4のレベルの上昇を示した。CA72-4は消化器癌治療中の患者での治療効果の観察に最も有用なマーカーの一つ1つである。興味深いことに、患者がサプリの服用を中止するとCA72-4は急速に正常レベルに戻り、CA72-4の急上昇に伴う臨床症状に変化はみられなかった。
ただし、霊芝を服用することによって起きた反応に関するメカニズムは不明ということから、さらなる研究が必要であるものの、がん患者に対して霊芝胞子を用いる際には注意が必要である、と結論づけられています。
霊芝は硬くて噛みきれないため、直接の食用には食しません。そのため、適当な大きさに切りって熱水で煎じる方法や薬用酒として摂取する方法が一般的です。具体的には、1日あたり3〜5g程度を400mlの水に入れて、とろ火で50分程度煎じます。これを2〜3回に分けて食間に服用することが多いようです。
また、霊芝を用いたサプリメントも多くあります。手軽に摂取したいと考えている場合には、このようなサプリメントを用いるという方法もあります。ただし、サプリメントを選ぶ際には「原料」「霊芝の使用部位」「抽出方法」について確認をしておきたいものです。
適切な量を経口摂取する上では安全性が高いとされているものの、下記のケースでは注意が必要です。
3〜6ヶ月に渡って長期的に摂取した場合には、口や喉・鼻の乾き、かゆみや胃の不快感、血便、鼻血といった症状が見られるケースがあるため、長期の摂取は避けることが推奨されています。
妊娠中や授乳中の女性については、霊芝を服用した場合の安全性についての十分なデータがないため、使用を避けることが推奨されています。
サプリメントなどを、霊芝の濃縮物として摂取を行なった場合の安全性については、「信頼できる十分な情報が見当たらない」とされています。
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引用:Ghoneum M and G. Namatalla,87th Annual Meeting of the American Association for Cancer Research,1996
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