ミツバチの巣の原料を由来成分とするプロポリス。消毒剤や点眼剤などで広く利用されている成分ですが、近年、さまざまな研究結果を通じ「プロポリスには抗がん効果が期待できる」という見解が聞かれます。ここでは、プロポリスの概要、およびプロポリスが持つと期待されている抗がん作用について、科学的エビデンスを交えつつ詳しく解説していきます。
プロポリスとは、ミツバチが巣作りの一環として樹脂などから集めてきた混合物のこと。古くから、人類はプロポリスを薬用として広く利用してきました。
現在のプロポリスの一般的な用途は、たとえば点眼剤、鎮静剤、消毒剤、日焼け止めなど。プロポリスが配合されていることを知らずに、これら医薬品を使用している方も少なくないことでしょう。
プロポリスが持つ作用については、世界中で様々な研究が行われています。その数多くのデータから、現在、プロポリスには抗微生物作用、抗酸化作用、抗炎症作用、免疫力調整作用、調整作用、抗がん作用、抗アレルギー作用など様々な作用があることが確認されています(否定的な見解もあります)。
国内においては、第50回日本癌学会総会(1991年)において、がんの研究者として知られる松野哲也氏(国立予防衛生研究所・理学博士)がプロポリスの抗がん作用を発表。この発表がきっかけとなり、国内でもプロポリスに関する研究が盛んに行われるようになりました。
様々な効果がうたわれているプロポリスですが、中でも最近特に注目されているものの一つが抗腫瘍効果。プロポリスはがんの予防・改善に効く作用を持つ、との見解です。
以下、プロポリスが持つとされるがんへの作用について、肯定的な見解と否定的な見解の両方をご紹介します。
金沢医科大学医学部と山田養蜂場みつばち健康科学研究所は、その共同研究を通じ、ブラジル産プロポリスが持つ大腸がんの予防効果を確認した、と発表しました。プロポリスの試験を通じて得られた3つの結果について、以下、山田養蜂場がプレスリリースした記事から一部抜粋します。
ローヤルゼリー・プロポリス等ミツバチ産品を製造・販売する山田養蜂場は、金沢医科大学医学部 田中卓二教授、安井由美子助教、甲野裕之准教授との共同研究によって、ブラジル産プロポリスの水抽出物が、エタノール抽出物と同様に、大腸がんを予防する可能性を確認しました。この結果は、学術誌“Oncology Reports 20(3):493-9(2008)”に掲載されました。
□結果
□まとめ
プロポリスエタノール抽出物と同様、プロポリス水抽出物が、過剰な細胞増殖の抑制により前がん病変の形成を抑えることで大腸がんを予防する可能性を確認しました
また、中部大学応用生物学部と中部大学生物機能開発研究所に所属する5名の研究者は、プロポリスが持つがんへの効果について、海外で実施された次のような研究結果を報告しています(番号は編者が付記)。
①ポーランドのシェラー(Scheller et al. 1989)らは,胆ガンマウスに,プロポリスのエタノール抽出物を投与すると,延命効果が見られたと報告している.
②松野らは人間の肝ガン由来の HuH13 細胞に対する増殖阻害と細胞傷害作用を指標として,ブラジル産プロポリスの抽出液から活性成分の単離を試みた.その結果,活性物質として既知化合物であるケルセチンとカフェイン酸フェネチルエステル,クレロダン系ジテルペンに分類される新規化合物を単離した(Matsuno, 1995).ケルセチンは,細胞の増殖を,遺伝子を複製する前の段階でストップさせるはたらきがある.また,高濃度になるとガン細胞を死滅させるようにさようする.さらにケルセチンには,動物実験で自然発生腫瘍や発ガン剤誘発腫瘍の発生を抑制するデータも得られている.
③アメリカ健康財団 B. S. レディー博士らのグループは,カフェイン酸フェネチルエステルと,その誘導体であるカフェイン酸ジフェネチルエステル,カフェイン酸メチルエステルを化学合成し,それらの作用について報告している.(中略).(2)結腸ガンや乳ガンを誘発する化学発ガン剤,ジメチルアミノビスフェニルが,サルモレラ菌に突然変異をおこさせるのを阻害する..(3)結腸ガン HT-29 細胞の増殖や,その DNA,RNA,タンパク合成を抑制する.ガン細胞で高い酵素活性を示すオルニチンデカルボキシラーゼや,チロシンキナーゼの活性を阻害する.
④木本らはアルテピリン C の抗ガン作用について報告している.アルテピリン C は通常用いられる抗ガン剤に比べると抗ガン作用は弱いが動物に対する副作用はほとんど見られない.また,培養細胞を使ったin vitro の実験ではヒトの各種ガン細胞や白血病細胞を 50~100 μg/mL で 24 時間処理するとほとんどの細胞が死滅する.これは,DNA 合成を阻害してアポトーシスを誘発し,ガン細胞を消失させるからである.
なお、上記④における「アルテピリン C」とは、プロポリスが持つ抗菌作用の代表的な成分です。
以上のように、プロポリスによるがん予防・改善効果を示唆する研究は、日本のみならず、世界中で多く行われてきました。現在もなお、プロポリスが持つ作用の研究は、世界の多くの研究機関で進められています。
一方で、がんに対するプロポリスの効果を否定する研究論文も確認されています。アメリカ国立医学図書館には、以下のような結論を導き出した日本の研究論文が存在します。
大腸ポリープを切除した患者30名に対し、ブラジル産プロポリスエキスを100,g×3個、3か月間にわたり摂取させたところ、結腸粘膜における大腸がんの初期マーカーに変化は認められなかった。俗にプロポリスは結腸癌の予防に良いとされているが、当研究においては、初期の結腸癌に対するプロポリスによる予防効果は確認できていない。
同論文の結論部分においては、プロポリスによる心筋細胞等への有害な副作用が懸念される、とのコメントも見られます。
また、がんへの作用とは異なりますが、日本の医薬基盤・健康・栄養研究所(国立研究開発法人)では、プロポリスに対して次のような見解を示しています。
俗に、「抗菌作用がある」「炎症を抑える」などと言われているが、経口摂取における有効性については十分なデータが見当たらない。
以上の通り、研究者の間では、プロポリスが持つがんへの作用について見解が分かれているようです。
現在、健康食品(サプリメント)としてのプロポリスには、粒状のものや液体状のものなど、様々なタイプの商品があります。それぞれの商品の説明にしたがい、適切に摂取するようにしてください。
どの形状のプロポリス製品にも共通しているのは、成人における1日の摂取目安量は200~300mgほどということ。過剰摂取によるリスクも懸念されるため、商品の製品に記載されている目安量を超えないよう摂取してください。
また、現在日本で市販されているプロポリス食品は、薬ではなくサプリメントとしての扱いとなります。よって、即効性が期待できるものではありません。プロポリスに何らかの効果を期待するためには、長期的に摂取することが望まれます。
適切とされる摂取量・摂取方法を守っていれば、プロポリスは安全性の高い食品とされています。
ただし、医薬基盤・健康・栄養研究所(国立研究開発法人)は、プロポリスに一定の安全性を認めながらも、公式HPにおいて次のように注意喚起しています。
アレルギー発症の可能性がある方、喘息をお持ちの方、手術の予定のある方は、念のためプロポリスの摂取を避けたほうが良いでしょう。また、妊娠中・授乳中の方や小児についても、安全性への十分な配慮の視点から、プロポリスの摂取を避けるべきです。
免疫細胞を活性化させることのできる、臨床データのある成分もおすすめです。臨床結果の実績が認められている成分をデータとともにご紹介します。
RBS米ぬか多糖体は、米ぬかに約5%含まれる水溶性食物繊維(ヘミセルロースB)を原料とする成分。国内外28箇所以上の大学・病院の共同研究によって生まれ、がん細胞に作用する免疫細胞を活性化させるとして、70報もの学術論文や、140回以上の学会発表がなされました。研究は今なお世界中で行われており、免疫力の向上、抗がん作用、抗がん剤による副作用の軽減作用などが報告されています。
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米ぬか多糖体免疫研究会
RBS米ぬか多糖体は、さまざまな免疫細胞に対し働きかけます。例えば、体内に侵入してきたがん細胞やウイルス感染細胞などをいち早く感知し、攻撃する役割を担うNK細胞。RBS米ぬか多糖体は、免疫細胞の中でも優秀な攻撃役であるNK細胞を活性化させる働きをすることが臨床結果によりわかっています。
引用:Ghoneum M and G. Namatalla,87th Annual Meeting of the American Association for Cancer Research,1996
こちらは、ホルモン治療や化学療法などを受けたがん進行患者25名に行った実験の臨床結果です。RBS米ぬか多糖体を6か月間摂取してもらったところ、RBS米ぬか多糖体摂取後に25名全員にNK細胞の活性が見られたというデータが得られています。
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