「甘草(かんぞう)」は、数多くの漢方薬に用いられている植物です。医療現場においても、抗がん剤の副作用を抑えるために処方されており、さまざまな研究が行われています。ここでは、甘草に関する研究データを紹介しながら、がんとの関連性について解説していきます。
甘草(かんぞう)は「マメ科カンゾウ属」植物で、根・根茎を乾燥して漢方薬などに用いられます。「芍薬甘草湯」や「桂枝甘草湯」「大黄甘草湯」「甘草麻黄湯」をはじめ、数多くの漢方薬に含まれている生薬です。
がんの治療においても、漢方薬が用いられることがあります。がんを治すためというよりも、主にがんで低下してしまった体力・抵抗力・回復力を高めて、不快な自覚症状の改善や生活の質を向上させることが目的です。この場合、症状や病状によって処方する漢方薬が判断されます。
抗がん剤の副作用が見られる患者に対しても、漢方薬が用いられており、顕著な効果を発揮するケースも少なくないと言われています。
例えば、抗がん剤の副作用によって起こる「食欲不振」に関しては、甘草が含まれる「六君子湯」が用いられることがあります。六君子湯は、嘔吐や食欲不振といった症状に作用すると言われているためです。
多成分からなる漢方薬「六君子湯」は、胸焼け、胃もたれ・膨満感、上腹部痛、悪心・嘔吐、食欲不振等の上腹部不定愁訴に関して1剤で対処可能というメリットがあります。
引用元:漢方スクエア「六君子湯」
がん治療の過程では、抗がん剤を使用することに伴って起きる悪心や嘔吐、食欲不振により十分な栄養が取れず、体重減少や体力の低下が見られるケースも少なくありません。食欲不振のメカニズムには、胃の中で産生される「グレリン」と呼ばれる物質(摂食を促進するペプチド)の低下が関係していることがわかっています。
六君子湯の投与によってもグレリンの分泌が促進され食欲が改善し,生薬の有効成分の分析として陳皮にふくまれるHMFやHesperetinや甘草に含まれるIsoliquiritigeninがセロトニン受容体と親和性があることが解析されており,それらの投与によりグレリンの血中レベルが上昇することがわかっている.実臨床においては少数例の検討ではあるが婦人科領域の癌に対するシスプラチン投与例で六君子湯の投与により食欲不振・悪心を認めた日数が低下したり,gradeが有意に低下したことが報告されている.
さらに、抗がん剤の副作用だけではなく、がんの終末期に見られる「がん悪液質」の症状緩和に対しても六君子湯が用いられています。
終末期がん患者はこの悪液質を呈し,食思不振,全身倦怠感,嘔気・嘔吐,気分の低下をきたす.これまでの漢方薬を用いた研究により,食思不振,嘔気・嘔吐の症状改善には六君子湯が,便秘やイレウスには大建中湯が,そして全身倦怠感の改善には,補中益気湯や十全大補湯などの「補剤」と呼ばれる漢方薬が奏効することがわかってきた.
引用元:上園保仁,宮野加奈子「がん悪液質の症状緩和を促す六君子湯─食思促進ペプチドグレリンシグナル作用を通して」(pdf)
さらに、抗がん剤を投与した後に発症することが多い筋肉痛にも漢方薬が有効であるという内容の報告もあります。筋肉痛が起こった場合、痛み止めとして「NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)」が用いられるケースが多くみられますが、効果があまり感じられない場合や胃腸に影響がある場合には、芍薬と甘草から構成される漢方薬「芍薬甘草湯」が用いられることがあります。
タキサン系抗がん剤の投与後1~6日に発症することが多い.NSAIDSが治療薬として用いられることも多いが効果が不十分な場合や胃腸障害が問題となる症例では芍薬甘草湯の使用がすすめられる.その作用機序は,カルシウムの
細胞内への流入抑制,カリウムの細胞外流出促進作用が関与しているとされる.投与群では筋肉痛の程度は非使用群に比して有意に低下したことや発症期間が3.0±0.7日vs6.1±2.4日と短縮したことが報告されている.
また、甘草を含む「六君子湯」を胆がんモデルラットに投与したところ、寿命を延長させることができたという研究データもあります。
六君子湯は,がん悪液質による食思改善ならびに体重減少の抑制に加え,担がんラットの寿命を延長させることが明らかとなった.われわれは,六君子湯が3種の老化マウスの寿命を延長させること,それはグレリンシグナルの増強を介して行われること,さらに,六君子湯によりマウスの心筋の石灰化や骨格筋萎縮(サルコペニア),学習,記憶障害が改善されることを見出した.
引用元:上園保仁,宮野加奈子「がん悪液質の症状緩和を促す六君子湯─食思促進ペプチドグレリンシグナル作用を通して」(pdf)
この研究結果から、六君子湯が抗がん剤の副作用を緩和するだけではなく、健康寿命を伸ばすことにも貢献するのではないかと述べられています。
甘草をはじめ、生薬の中には女性ホルモン作用を持っているものもあります。乳がんや子宮体癌のように女性ホルモンである「エストロゲン」ががんの増殖を刺激してしまうがんの場合、摂取に関して注意が必要だと指摘されています。
高麗人参や甘草や葛根などのエストロゲン作用が指摘されている生薬は、少しであれば問題はないはずですが、無理に使用しないほうが無難かもしれません。
ここまで紹介してきた通り、甘草は漢方薬として摂取するのが一般的です。
漢方薬はドラッグストアなどで気軽に入手できますが、用法・容量をきちんと守って摂取することを忘れないようにしましょう。
甘草は、下記の症状がある人には使用してはいけないとされています。
「漢方薬は、自然のものからできているため副作用が見られない」というのは誤ったイメージです。漢方薬も薬効を持つ生薬でできているため、副作用が生じる場合があります。
甘草を含む漢方薬を生活に取り入れる際には、特に持病がある人や病院に通っている人はかかりつけ医に相談することが必要。自分は飲んでも良いのかということをしっかりと確認した上で、用法・容量を守って摂取することが大切です。
免疫細胞を活性化させることのできる、臨床データのある成分もおすすめです。臨床結果の実績が認められている成分をデータとともにご紹介します。
RBS米ぬか多糖体は、米ぬかに約5%含まれる水溶性食物繊維(ヘミセルロースB)を原料とする成分。国内外28箇所以上の大学・病院の共同研究によって生まれ、がん細胞に作用する免疫細胞を活性化させるとして、70報もの学術論文や、140回以上の学会発表がなされました。研究は今なお世界中で行われており、免疫力の向上、抗がん作用、抗がん剤による副作用の軽減作用などが報告されています。
RBS米ぬか多糖体は、私たちが普段食べたり、化粧品として活用したりしている米ぬかとは別物。米ぬかに含まれる有用成分を体内で吸収できるように、独自製法で抽出したのが「RBS米ぬか多糖体」です。自宅で取り入れる際には、サプリメントなどの健康食品で成分を摂取する必要があります。
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RBS米ぬか多糖体は、さまざまな免疫細胞に対し働きかけます。例えば、体内に侵入してきたがん細胞やウイルス感染細胞などをいち早く感知し、攻撃する役割を担うNK細胞。RBS米ぬか多糖体は、免疫細胞の中でも優秀な攻撃役であるNK細胞を活性化させる働きをすることが臨床結果によりわかっています。
引用:Ghoneum M and G. Namatalla,87th Annual Meeting of the American Association for Cancer Research,1996
こちらは、ホルモン治療や化学療法などを受けたがん進行患者25名に行った実験の臨床結果です。RBS米ぬか多糖体を6か月間摂取してもらったところ、RBS米ぬか多糖体摂取後に25名全員にNK細胞の活性が見られたというデータが得られています。
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