3大治療(手術・抗がん剤・放射線)と免疫療法の副作用

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がんの3大治療と免疫療法の関係

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免疫療法の副作用(イメージ)

免疫療法の副作用(イメージ) 免疫療法の
副作用

副作用はほとんどナシ
三大治療法との併用が勧められるわけ

まず知っておくべきことですが、免疫療法には重い副作用はありません。炎症を起こしたときのような、もしくは風邪を引いたときのような軽い発熱くらいのもので、時に悪寒を感じる程度です。

免疫療法に副作用はあるのか?

もしも免疫療法で重い副作用があるとしたら、細菌やウイルスなどが体内に入ってしまった場合、壊死した細胞を取り込んだマクロファージからサイトカインが大量に出てしまった時だけです。この場合は、風邪やインフルエンザのときに起こる発熱と同じような状態が起こっているのです。副作用といっても、このくらいの症状であることから、さほど不安に思わなくてよいことがわかるでしょう。

これらは良質の免疫細胞を使いさえすれば、避けられることで、免疫療法に副作用の心配はありません。

免疫療法は副作用がない(少ない)理由

免疫療法は、免疫システムや免疫細胞の働きを強化したり、患者の体内から取り出した免疫細胞を培養し増強することでがん治療を行うものです。そもそも、免疫反応という、日常的に私たちの体内で起こっている“反応”を応用したものですから、副作用がないというのは当然のことです。

がん治療において、副作用がないということは、免疫療法の最大のメリットといえるでしょう。人体が本来持っている免疫機能を活用する免疫療法は、深刻な副作用がないことから、希望する方も増えています。

免疫療法とがんの3大治療の
副作用の違い

がんの3大治療は、外的な力でがんを攻撃することで効果を得るものですが、この外的な力が患者に悪い影響を及ぼすことも否定できません。

  • 手術

    がん細胞が一箇所で増殖し、塊を形成したときに採用される治療が手術です。正しく塊を形成できているときには有効ですが、他の部位にまで飛び火してしまっている時や、がんの種類が塊を形成しない種類である時には使いづらい方法です。

    特に内臓のがんは、「腹腔は本来空気に触れていない部分、一度開けるとがん細胞が暴れだすこともある」とする医師もいます。手術侵襲によって臓器機能の低下の可能性があることも知っておきましょう。

    例えば肺がんの手術の場合は、肺の一部を切除するため、肺の機能が低下し、息切れを起こしやすくなることがあります。また手術後に、肺炎・肺瘻(はいろう)・肺塞栓症・感染症などの合併症が起こるリスクも考えられます。

  • 抗がん剤

    抗がん剤治療は、大きくなりすぎたがん組織を縮小させ手術に備えたり、手術後の再発を防止する目的、塊を形成しないがんの治療で採用される治療法です。

    点滴・注射・飲み薬で投与することから、全身に影響を及ぼすことがあり、だるさ・めまい・吐き気・嘔吐の他にも、下痢、食欲低下、口内炎、味覚症状、膀胱炎、腎障害などの副作用を引き起こすことがあります。

    また、抗がん剤治療をすることで、髪の毛がどんどん抜け落ちてしまいます。特に女性にとっては脱毛の副作用が最もダメージが大きいものではないでしょうか。体質に合う抗がん剤が見つかるまで時間がかかることもあり、医師も患者も手さぐりで進めていく治療であります。

    抗がん剤の副作用については下記のページでも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

    抗がん剤副作用の対処法と有害事象のグレード

    抗がん剤の種類で見る副作用

    【がんの種類別】抗がん剤治療の内容

  • 放射線

    放射線治療は、がん細胞を破壊し増殖の術を失わせることを目的に採用される治療法です。手術や抗がん剤治療は耐えられないだろうと考えられる高齢者や、手術することで失う機能が大きすぎる場合に抗がん剤と併用します。がんの種類によっては放射線治療単独での治療を行うことがあります。

    健康な細胞にまで影響することがあり、やけどのような症状があらわれることがあります。その他に、治療後すぐにあらわれる急性障害としては、疲労感や食欲不振、吐き気、下痢などを引き起こす可能性も。

    治療後半年から数年後にあらわれる晩期障害としては、味覚障害や呼吸障害、下血、リンパ浮腫などがあります。これらを極力避けるように、医師は治療の方針を立てますが、治療後に何らかの違和感があれば、すぐに医師に相談する必要があります。

副作用が少なくても
免疫療法を
受けない方が良い人・時期

免疫療法が「副作用の少ない治療法」であっても、受けられない人・受けられない時期があります。

感染症による発熱、肺胞の壁・その周辺に炎症がおきる間質性肺炎のピーク時がそれです。このような状態は、既に体内が戦場の様相を呈していますので、このときに免疫細胞療法を受けることは、炎症を広げてしまう結果になるからです。

腫瘍部増大スピードがすごく速い時、内部で壊死が起こっているときの発熱を「腫瘍熱」と呼びますが、このときはまず抗がん剤などでがん細胞の活動を抑えることが先決です。

副作用が小さいだけじゃない?免疫療法のメリット

一般的にがん患者の免疫細胞の活性度は、健康な人に比べるとかなり低いものです。そのため、がん細胞に免疫細胞が負けてしまい、免疫力が下がった体内でがん細胞が爆発的に増えてしまいます。この増殖を抑制するための免疫力を強化するためにも、免疫療法は取り入れたほうが良い治療法です。

さらに抗がん剤などで弱った免疫力を取り戻すためにも、免疫療法は効果的です。

免疫療法のメリット

・ほとんど全てのがんに効果がある
・副作用がほとんどなく、身体に優しい
・他のがん治療と併用可能
・ステージに関係なく、早期がんから進行がんまで有効
・耐性が生じないので、効果が持続する
・体力の回復を促進し、QOL(生活の質)を改善させる

副作用が少なく、QOL改善に
つながる免疫療法

三大療法(手術・抗がん剤・放射線治療)がQOL(生活の質)を損ねてしまうことは、どなたもご存知のことだと思います。

一方、免疫療法はQOLを損ねない第四のがん治療として注目されています。これは、副作用がほとんどなく、治療中でも普通の日常生活を送れることにあります。

がん治療は完全消失させることが目的ではなく、がんと共存しながら今の生活を維持することと考えれば、免疫療法はもっと評価されるべき治療法だと言えるのではないでしょうか。