食道がんは50代男性注意―喫煙・アルコール・刺激物
食道がんは、タバコやアルコールをたしなむ人に多いがんです。また、辛い・熱い食べ物を好んで摂取する人もかかりやすい病気。食道への刺激が積み重なり、がんとしてあらわれるのが50代だとされています。男性に多く見られます。飲食の際に食道のあたりがひりひりする、しみる感じがするならすぐに病院へ。
画像引用元:東京MITクリニックHP(http://www.comfort-hp.com/pages/07.html) 手術後3年で肝臓転移―【抗がん剤治療効かず】食道がんの手術を受けたが、3年後に肝臓へ転移。抗がん剤での治療もむなしく進行。治療法はなしと言われ、免疫療法を開始。6ヶ月後、肝臓で再発したがんはほとんど消えた。
画像引用元:東京ミッドタウン先端医療研究所HP(http://www.midtown-amc.jp/everycanser/esophagus/post_5.html) 食道がんと肝臓転移―【肝臓転移には効果があったが…】食道がんから肝臓への転移が見つかり、抗がん剤を実施。肝臓がんは消滅したが食道には効果がなかった。免疫療法(樹状細胞ワクチンをがん部分へ直接投与)を行い、食事が摂れるまでに。
食道がんが広がって―【胃ろうも造設】のどの違和感で受診、食道がんから胃や肝臓、すい臓にまで転移。胃ろうもつくり、抗がん剤のみでの治療。抗がん剤と免疫療法を併用したいという希望により治療開始。約1年で寛解。
進行性食道がん―【手術などの治療を拒否】食物がうまく飲み込めないため受診、進行性の食道がんと診断。患者の兄が食道がん手術の後すぐに死亡していたことから、手術などの治療を拒否し、免疫療法を選択。治療開始から2年、経過順調。
食道がんに対する免疫療法の効果は高いと言われています。多くの病院やクリニックでは、ステージ4など末期の食道がん患者を中心に免疫療法が施されているようです。
食道がんにおける免疫療法の種類は、大きく分けて3つ。「活性化リンパ球療法」「樹状細胞療法」「NK細胞療法」です。
樹状細胞とは、異物を攻撃する細胞に対して、がんを攻撃できるよう伝達・教育する役割を持つ細胞。増殖力が弱いため、治療においては、事前に患者の体内から大量の樹状細胞を採取する必要があります。体への負担を考えると、すべての患者に適応できる方法ではありません。
NK細胞とは、体内に侵入したどんな異物でも排除する単純な攻撃細胞。がん細胞はもちろん、異物と判定したものであれば何でも攻撃します。食道がんの治療においては、多くの実績がある治療法です。
リンパ球とは、体内に侵入した異物を攻撃する細胞の総称。活性化リンパ球療法では、主にリンパ球のうちT細胞と呼ばれる攻撃細胞を活性化させます。培養が簡単なので、この治療法を採用する病院・クリニックも少なくありません。
病院やクリニック、患者の症状によって、どの方法が採用されるかは分かれます。かつては活性化リンパ球療法が主流でしたが、現在では、最も原始的な攻撃細胞であるNK細胞を利用する病院が多くなってきました。
なお、これらの免疫療法は、既存の標準的な治療法(手術、抗がん剤、放射線)と組み合わせることによって、より高い治療効果が期待できます。
食道がんの患者に適用される主な治療法は4つ。内視鏡治療、手術、放射線、抗がん剤です。これらのうち最も一般的な治療法が、手術です。
食道がんの手術においては、食道そのものと、その周辺のリンパ節など、広範囲な切除が行われます。同時に、胃などを利用して食道再建手術も行われるため、患者の負担は比較的大きなものとなります。
また、手術不適応な患者、また手術後の患者に対しては、放射線治療や抗がん剤治療が行われます。
なお、ごく早期の食道がんに対しては、手術の代わりに内視鏡治療が検討されることもあります。
いずれの治療法においても、免疫療法を併用することでがんの治療効果が高まると言われています。
ところで、治療法選択の余地がないほど末期に陥った患者の中には、高麗人参などの漢方や、抗酸化作用の高いサプリメントなどでがんを克服したという人もいるようです。
人によっては民間療法が高い効果をもたらしてくれる場合があるかも知れませんが、これらには科学的データの裏付けが乏しいことも事実。興味のある方は、医師による治療と並行して補助的に利用するのが良いでしょう。