食生活の改善によってがんリスクの低下が期待できる
厚生労働省からも、がんに対する食品の影響は指摘されており、食生活の改善によってがんリスクの低下が期待できるのは、もはや周知の事実。ここでは、実際に「がんに効く」「がんの進行を抑えるのに役立つ」と言われている食品を紹介しています。効果や研究データなども詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
優れた殺菌・抗菌作用があることで有名なマヌカハニー。風邪や外傷など、さまざまな症状の改善に役立つと評判ですが、がんに対しても効果的だとも言われています。海外では既に臨床実験も行われており、今後さらなる研究が期待されている食品です。
ミツバチの巣の原料を由来とするプロポリスは、消毒剤、点眼剤などの原料にも用いられ、様々な効能で知られている成分。近年では、がんに対する効果も期待されており、多くの研究データが集められています
インド北部原産の植物であるモリンガ。豊富な栄養素が含まれていることから、近年ではスーパーフードとして注目されています。臨床試験はまだ行われていないものの、発がん物質に対して予防的な働きをするエキスが含まれていると言われ、皮膚がんなどの予防に活用できるのではないかと期待されている食品です。
ブロッコリーの芽であるブロッコリースプラウトは、スーパーなどでも販売されている野菜。成熟したブロッコリーよりも高い栄養価を誇り、スルフォラファンという含有成分には抗がん作用があります。様々な種類のがんに対して世界中で研究が行われている食品です。
沖縄の特産品として知られるゴーヤですが、今では日本中の食卓で親しまれている野菜です。近年では、この食材に、がんに対して抑制効果があるという報告があがっています。免疫力の高めるのに役立つビタミンCが豊富な点や、苦み成分である「コロソリン酸」に注目です。
そのまま飲んだり、さまざまな料理の原料として世界中で愛されている牛乳。そんな身近な食材が、がんに対して効果的だという説がいくつか発表されています。牛乳に含まれているたんぱく質は免疫細胞の材料であり、その加工品であるヨーグルトにも免疫活性作用があるそうです。
にんにくは、中華、フレンチ、イタリアンなど、さまざまな料理の材料として活躍する野菜。独特の風味が特徴の人気食材ですが、そのにおいの元であるアルシンという成分には免疫活性作用があり、がんの予防作用があると報告されています。
アガリクスは、別名「ヒメマツタケ」「カワリハラタケ」とも呼ばれるブラジル原産のキノコ。日本でも機能性食品として利用されており、この成分を抽出した食品が多数販売されています。そんなアガリクスに、がんに対する有効性が報告されており、さまざまな研究機関によって調査が進められています。
ブロッコリーといえば、栄養価が高く、さまざまな料理の材料として食べられている野菜。そんな身近な存在であるブロッコリーには、イソチオシアネートの一種であるスルフォラファンという成分が含まれており、強力な抗がん作用を持つと言われています。
近年、スーパーフードとして話題になっているスピルリナ。元々は南アフリカや中南米に自生している藻の一種ですが、日本でもサプリなどに加工されて販売されています。豊富な栄養を持つことから健康に良いと言われていますが、一部の研究では、がんに対して有効な作用を持つと報告されています。
国内では、北関東から北海道にかけての高地に自生しているハナビラタケ。愛好家の間では風味が人気のキノコですが、その一方で、研究者たちの間では、含有される豊富なβグルカンが注目されています。がんの予防効果を示唆する研究報告が続々と寄せられている食材です。
稲の穂からもみ殻を除去しただけの米が玄米。白米を覆う茶色いヌカの部分には、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富でバランス良く含まれているため、かつては「パーフェクトフード」とも言われていました。玄米に含まれている成分の中には、がん予防に良いとされるものもあります。
私たち人間の体の約60%を占めるとされる水。生命体としての人間を支えるベースとなる物質です。書籍やネット上には、水の摂取ががんの予防につながる、との説も見られますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
約5億年前から地球上に生息しているという、非常に生命力の強い生き物・ユーグレナ(ミドリムシ)。ユーグレナ特有の成分であるパラミロンには、大腸がんを始めとしたいくつかのがん予防効果があるとされています。
今や日本のみならず、世界でも有名な食材となった納豆。大豆に含まれるイソフラボンや、発酵によって増殖するナットウキナーゼには、がんの予防作用を始め、さまざまな健康増進作用があると言われています。
乳製品の代表格でもあり、高い整腸作用を持つことでも知られる人気の食品・ヨーグルト。近年の研究により、ヨーグルトには大腸がんや乳がんの予防が期待できることが分かりました。大腸がんの予防効果は、世界の学会が「ほぼ確実」と評価しています。
コーヒーにはカフェインのほか、ポリフェノールが含まれています。このポリフェノールは、抗酸化作用を持っているため、体内で発生してがんや老化の原因となる活性酸素に働きかけると言われています。コーヒーは日常的に摂取している人も非常に多いため、その作用について非常に期待されています。
緑茶にはカテキンが多く含まれています。カテキンとは、お茶から抽出されるポリフェノール群のことで、いくつか種類があります。緑茶に含まれるのはエピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートなどがあります。強い抗酸化作用や抗ウイルス活性、抗菌作用などを持つとされており、がんの発生原因とされている活性酸素への作用も期待されています。
トマトにはさまざまな栄養成分が含まれており、「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、たくさんの健康作用が期待されている野菜として有名です。中でも、トマトの赤い色である「リコピン」は非常に高い抗酸化作用を持つとされており、がんをはじめとするさまざまな病気の原因と考えられている活性酸素を除去する、という作用が期待されています。
キャベツに含まれる栄養成分には、がんの抑制効果があるといわれています。キャベツは世界最古の野菜のひとつで、食物繊維、ビタミンU、ビタミンCなど、豊富な栄養を持っていることで有名。さまざまな健康効果が期待されており、世界中の研究機関が注目している食品です。
大豆は、みそやしょうゆ、納豆など、日本の伝統的な食品に欠かせない食材のひとつ。そして、大豆食品を多く摂取する日本食こそが、日本人の乳がん、前立腺がんの発生率を抑えている要因ではないかと言われています。大豆が含むイソフラボンという成分は女性ホルモンに類似した構造を持っており、さまざまな視点から研究が進められています。
ショウガは、古くから食用として親しまれるとともに、漢方薬などにも用いられてきました。その殺菌・抗菌作用や抗酸化作用から、さまざまな疾病の予防効果が期待されており、がんの予防にも役立つと考えられています。さらに、食欲を増進する作用を持つことから、妊娠中のつわりや、抗がん剤の副作用による吐き気の軽減にも役立つという報告もされています。
スーパーフードとして人気のアサイーは、ブルジル・アマゾン原産の植物。果実は栄養豊富で、抗酸化作用や抗炎症作用があります。鉄分も多く含まれているため、貧血になりがちな女性にもおすすめです。
ビーツは地中海沿岸生まれの野菜で、鮮やかな赤紫色の実が特徴です。日本にも「火焔菜(かえんさい)」という名前で伝わっていますが、あまり栽培はされておらず、見掛ける機会は少ないでしょう。様々な栄養素を含んでおり、高い抗酸化作用が注目されています。
マンゴスチンは「世界三大美果」のひとつに数えられるフルーツ。主な栽培地域である東南アジアでは古くから薬として用いられており、さまざまな効能が期待されているそうです。
チョコレートやココアに加工され、世界中で食べられているカカオ。カカオ豆には抗酸化作用を持つカカオポリフェノールや、便秘の予防が期待できる食物繊維リグニンが含んでいるのが特徴です。これまでの研究で、大腸がんの予防効果などが報告されています。
鮮やかな赤い果実が特徴的なザクロは、強い抗酸化作用を持つ果物。生活習慣病などの予防に役立つと言われ、前立腺がんに対する改善効果が確認された研究結果もあります。「女性の果実」とも呼ばれ、美容に関する効果も期待されている食品です
私たちにとって大変身近な野菜であるタマネギには、さまざまな健康効果があります。これまでに行われた研究では、大腸がんや胃がん、食道がんといった消化器系のがんに対する予防効果や、卵巣がんの進行を抑えたという結果が報告されています。
秋から冬にかけて旬を迎え、各家庭で気軽に食べられているりんご。その果実には豊富な食物繊維やポリフェノールが含まれ、さまざまな健康効果が期待されています。りんごの栄養や効能についてはさまざまな研究や調査が行われ、がんに対する予防効果も報告されています。
日本人の食卓におなじみの野菜であるにんじんは、アフガニスタンを原産とする野菜。強い抗酸化作用を持つβカロテンを含んでいることが特徴で、がんの発生を抑制したり、がん細胞の増殖を抑制する作用が期待されています。福島県にある総合南東北病院の広報誌でも、がんを予防する食べ物として挙げられています。さらに、にんじんそのものだけではなく、これまで廃棄されることが多かったにんじんの葉にも、実はがん細胞の増殖を抑える働きがあるとする報告もあります。
多くの漢方薬の生薬として用いられている甘草は、「マメ科カンゾウ属」植物の根・根茎を乾燥したものです。医療現場でも抗がん剤を使用しているがん患者などに対し、体力や抵抗力の回復を目的として漢方薬が処方されています。この甘草が含まれている漢方薬も、抗がん剤の副作用を緩和する目的で使用されています。特に「六君子湯」は抗がん剤の副作用として起こることが多い悪心や吐き気・食欲不振の症状に、「生薬甘草湯」はある種類の抗がん剤を投与することによって起こる筋肉痛の緩和に役立つと言われています。
ヨーロッパでは一般的に食べられているものの、栽培に手間がかかることなどから、日本では手に入りにくいセリ科の野菜・パースニップ。白いにんじんのような見た目をしています。このバースニップは高い抗酸化作用を持つという特徴があり、ほかのセリ科の野菜と同じように生活習慣病やがんの予防に効果的と言われている野菜です。アメリカ国立がん研究所を中心とした研究グループにより、がんの予防が期待できる野菜「デザイナーフーズ」に選ばれていることからも、がん予防に効果がある野菜として注目されています。
フラボノイド類やボリフェノールを多く含むセロリは、高い抗酸化作用を持つ野菜です。これらの成分が高い抗がん活性を持つと考えられており、がん細胞の成長を妨げる働きが期待されています。他にもカリウムやビタミンKといった栄養素も多く含んでいることが知られています。
カレーに欠かせない、身近なスパイスであるターメリック。日本ではウコンとも呼ばれており、沖縄で古くからお茶として摂取されてきた歴史があります。ターメリックには抗酸化作用を持つクルクミンという物質が含まれており、がんの予防・抑制に作用するのではと期待されています。
白い蕾の部分を食用としているカリフラワーは、ブロッコリーなどと同じアブラナ科の野菜。がんを予防する効果が期待されているスルフォラファンが多く含まれていることで有名です。その他にも高い抗酸化作用を持つクロロゲン酸も豊富であるため、がん予防に大きな期待が寄せられています。
キノコの一種であり、古くから薬として用いられてきた霊芝(レイシ)。そのままでは食べることができないため、乾燥させたものを煎じるなどして用いられます。別名「マンネンダケ」と呼ばれているこのキノコは、台湾や中国で多く研究が行われており、がん患者の免疫を上げるという報告があります。免疫を高める作用のほか、血圧を安定させたり炎症やアレルギーを抑制したりと、さまざまな作用が期待されています。
私たちにとって身近な食材であるピーマン。ピーマンは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEをはじめとする栄養素を豊富に含んでいるため、がんに対しても効果的な食べ物であると考えられています。
ピーマンに含まれる「ファイトケミカル」も注目の成分と言えるでしょう。さらに、緑のピーマンが熟成した赤いピーマンには強い抗酸化作用を持つカロテノイドが含まれているため、ぜひ積極的に取り入れてみましょう。
食べ物に果汁をかけるなどして、酸味のある風味を加えることができるレモン。レモンにはビタミンCが多く含まれていますが、その皮にも多くの栄養素が含まれていることがわかっています。一般的には果汁のみを使用し、皮までは食べないということが多いですが、抗酸化作用、抗がん作用といった効果が期待されているので、皮まで摂取するのがおすすめと言えるでしょう。
α-リノレン酸や食物繊維、リグナンといった成分が豊富に含まれている亜麻仁(アマニ)は、古くから民間療法で下剤として用いられてきた食品。そのまま食べることもできますが、種子を絞った「亜麻仁油」として食事に取り入れることができます。ただし、油ではリグナンを摂取できないので、その点にはご注意を。
亜麻仁の健康効果については世界中で多くの研究が行われていますが、その中では乳がん患者の腫瘍増殖を抑制する働きがある、という報告もあります。
近年、不飽和脂肪酸であるDHA・EPAを豊富に含むことで注目されている青魚。健康に良いという理由から、多くの家庭で食べられている食材です。代表例としてはサバ、アジ、サンマ、イワシなどが挙げられますが、日本人にとっては、いずれも身近な存在です。
そんな青魚に、がんに対する効果があるという研究データが報告されています。青魚に含まれる不飽和脂肪酸には抗炎症作用があり、肝臓がんやすい臓がんの発症リスクを低下させる可能性があるのではないか、と考えられているそうです。
おやつや料理の材料として食べられているナッツ類も、がんに対して効果のある食べ物だと言われています。ナッツには各種ビタミンや不飽和脂肪酸、ミネラルなどが豊富に含まれており、ナッツを食べることでがんの発生率や再発率、死亡率が低下したというデータが報告されています。
スーパーフードとして注目を浴びるチアシードは、食物繊維やミネラル、オメガ3脂肪酸を豊富に含む食品です。ダイエットやアンチエイジングだけでなく、がん予防にも効果があると言われています。
森のバターと呼ばれるアボカドは、栄養価が高く、健康に良い食品として有名です。最近では、がんにも効果的なのではないかと言われています。アボカドに含まれる栄養をひとつひとつチェックし、その効果に迫ってみましょう。
麻の果実である、麻の実。七味の入っている苧(お)の実として親しまれている食材ですが、実は栄養価が高く、さまざまな健康効果が期待されています。果たして、がんに対する効果はあるのでしょうか?
クコの実は、古くから漢方薬としても使用されている健康食材。中華料理では時おり見掛けますが、近年ではスーパーフードとして注目されています。がんに対する効果も研究されているので、そのデータを詳しくチェックしてみましょう。
マカは、滋養強壮効果などで知られ、サプリメントや強壮剤の原料としてよく目にする植物。実は、マカはがんの発生率低下に効果的と言われるアブラナ科の植物であり、抗がん作用が確認されているイソチオシアネートという成分を含んでいます。
がんを予防するために推奨される食品とはどんなものがあるか気になっている人もいるでしょう。そこで参考にしたいのが「デザイナーフーズ」です。
「デザイナーフーズ」とは、アメリカの国立がん研究センターによって発表されたもの。がんを抑制する作用を持った食品を約40種類ピックアップし、がんの予防に関して重要だと考えられる順に並べた「デザイナーフーズピラミッド」を作成しています。このピラミッドの上にあるほど、がんの予防効果が高いと考えられている食品です。
デザイナーフーズピラミッドの上位にある食べ物には、ニンニクやキャベツ、甘草(カンゾウ)、大豆、しょうが、にんじん、セロリ、バースニップがあります。 デザイナーフーズには、私たちにとって身近な食品も多く含まれているので、日々の食材選びにおいて、参考にしてみることをおすすめします。
食べ物ががんに作用する、サプリを飲むことでがんに作用する、という多くの研究報告がありますが、前提として頭に入れておきたいのは、サプリや食品は「薬」ではないということ。食べ物やサプリはがんを防ぎ、がんを治すために必要なものですが、治療とは分けて考えた方が良いでしょう。しっかりと治療を受けた上で、栄養をきちんと摂取することが大切です。
しかも、サプリメントだけに頼ることは、「噛む力」を低下させてしまうことにも繋がります。咀嚼とは、単純に食べ物を噛み砕くだけではなく、口の中を洗浄するといった働きや、消化液の分泌、脳へ刺激を与えるなど多くの役割を持っています。そのため、サプリに頼った生活をしていると、噛む力が低下することに起因する弊害が起こる可能性があります。
また、実際にがんを克服していく上で自身の免疫力を高めていくためには、免疫療法を実施している病院に相談するという選択肢があることも覚えておきましょう。免疫療法は、外科手術、化学療法、放射線療法に続く「第四のがん治療」とも言われており、すでに豊富な治療実績が報告されています。くわしく知りたい方は、下記ページを参照してみてください。
免疫療法について詳しくチェック 東京にあるテレビなどのメディアでは、がんに良い食べ物、がんに効く食べ物として、さまざまな食品が紹介されていますね。その中には、実際に行われた臨床試験によってがんの予防効果などが見られた食品もあれば、正式なデータはなく、噂や迷信のレベルで「がんに効く」というイメージだけが広まっている食品もあります。
逆に「がんに良くない」と言われている食品もありますが、いずれにせよ、その根拠や仕組みを正確に理解した上で生活に取り入れることが大切です。がんに対して良いという研究データのある食品であっても、摂取の仕方によっては、何か別にリスクを生じる可能性も考えられます。どの成分がどういった仕組みで体に作用するのか、しっかりと理解しておきましょう。
がんの原因になる食べ物や生活習慣をチェック国立がん研究センターがまとめた「がんになったら手にとるガイド」によると、食事は大切ですが、あまり神経質にならず、バランスの良い食事をゆっくりとるのが基本だと説明しています。
がんに効果的な食べ物をとるために、他の栄養素が不足してしまったり、食事が苦痛になったりしては本末転倒です。あまり神経質にならず、いろいろなものを食べて、栄養を十分に摂取するよう心掛けましょう。がんと闘うためには、体重減少を抑え、体力を養うことも重要です。
「これは食べてはいけない」「これはたくさん食べなければいけない」といった思い込みの中には、ただの噂にすぎない、根拠の希薄な話もたくさんあります。そんなものに振り回され、食事が持つ本来の目的を見失ってしまうのは、得策とはいえないのではないでしょうか。
それに、いくら身体に良い食品であっても、そればかり食べていては栄養が偏ってしまいますし、好きでもないものを無理に食べようとしてストレスを溜めるのは、がんに対しても良くないはずです。正しい知識を身に着ける一方で、楽しく食事をとることで自分をいたわってあげるように心掛けましょう。
このページで紹介している食べ物に関しても、そのメリットやリスクを把握した上で、楽しく、おいしく取り入れるようにしてください。
どんな食品を摂取するか、味付けはどうするかと言ったことも大切ですが、どんな風に食べるか、という点も大切です。下記のようなポイントに注意し、食事を摂りやすい工夫を行いましょう。
まず、焦って食べなければいけないような雰囲気は厳禁。ゆっくりと、急がずに食べられるように食事の時間はたっぷりと取ることが理想的です。なかなか食事が進まないような場合でも「早く食べて」と声をかけてしまうと、食事自体にストレスを感じてしまい、余計食べられなくなってしまいます。
食事の時には、楽しい雰囲気も大切です。そのため、一人で食べるのではなく、家族や友人と会話を楽しみながら食事をするようにしましょう。
いくら栄養面で優れていても、盛り付けなどによっては食欲がわかないこともあります。そのため、食事の際には「食べたいな」と感じられるように食事の彩りに気を使ってみると良いでしょう。食器を工夫してみるだけでも、見栄えがして食欲がわき、食が進むことがあります。
がんを食事で予防することはできるのでしょうか。がんのリスクを下げるという観点から、食事のポイントを見てみることにしましょう。
がんを予防するために気をつけたい食事の基本は、「一汁三菜」のバランスが取れた食事を摂ること。その中で心がけていきたいポイントとしては、下記のようなものが挙げられています。
肉類に偏りすぎた食生活は、大腸がんと乳がんのリスクを上げると言われています。
がんを予防するという観点から考えると、肉類の摂取は1日80g以下に抑えることが理想。野菜や果物、穀物や豆類、根菜類を中心とした食生活を心がけるようにしましょう。
健康のためには、塩分の過剰摂取にも気をつけたいもの。塩分の摂りすぎは胃がんのリスクをあげるという報告もあります。「1日6g」の摂取を目安に、塩分の摂取量にも気を使ってみましょう。味付けを工夫することで、調味料の使用量を抑えることが可能です。
アルコールの摂取は、肝臓がんや大腸がん、乳がん、肺がん、食道がんのリスクを高めると言われています。適度なアルコールの摂取はストレス解消などにつながるため、全く飲んではいけないということではありませんが、過剰な摂取は考えもの。適量を守りながらお酒を楽しむようにしましょう。
がんの治療を行っている場合、治療の段階によっては食事を摂ることが難しいケースもあります。そんな時でも、さまざまな工夫を行うことによって食事が摂れるようになることがあります。
がんの治療を行う中では、治療の副作用で食欲が出ないという場合もありますし、病気に対する不安や今後の心配事によるストレスから食事をする気力が起きないという場合もあります。
そんな時には、まず無理をせず、食べられそうなものから食べるという心掛けが大切。その上で、下記のような工夫をすることで、少しずつ食べられるようになるかもしれません。
これまで通りの食事が辛いのであれば、主食の味付けを変えてみるのがオススメです。
ご飯であれば、例えば酢飯にしたり、雑炊にしたり、混ぜご飯にしてみたりと、色々なバリエーションを試してみると良いでしょう。また、パンや麺類であれば、食パンではなく菓子パンを食べてみる、そうめんなど食べやすい形のものを取り入れてみることで、少しずつ食べられるようになる人もいるようです。
摂取カロリーがあまりにも低くなって痩せてしまうことを防ぐために、1日3食ではなく、4食、5食など食事回数を増やし、1回あたりの食事量を少なめにしてみるのも一つの手です。これまでと同じ量の食事を食べきれないことで余計にストレスを感じてしまうのであれば、1回あたりの食事は自分が食べられる量にすることで「完食できた」という満足感も得られるはず。間食も積極的に取り入れてみることもおすすめです。
食事量が少なくなることによる体重減少が心配なのであれば、1食あたりのカロリーを高めた食事に変えていくのも良いでしょう。これまで白いご飯を食べていたのであれば、チャーハンなど油を使った形にするといった方法です。食事を摂る量が少なくなったとしても、大幅にカロリー摂取が減らないように工夫してみましょう。
健康を保つ上で、たんぱく質をどう摂取するかが大きな問題です。濃い味付けだと食べにくい場合には、酢を使った南蛮漬けなどの形で、さっぱりと食べられる工夫をすると良いでしょう。また、ゆずやレモンなどによって風味づけをすることで、食べやすくするという方法も考えられます。
どうしても食欲がわかない場合には、ゼリーなど食べやすい形の栄養補助食品を活用しましょう。スープタイプやドリンクタイプの食品も選択肢は豊富にあるので「これなら口に入れやすい」と感じるものを選ぶようにしましょう。
がん治療の影響により、味覚に変化が生じてしまい食事が困難になる場合があります。このような場合の食事のポイントは下記の通りです。
味覚に変化が生じている場合には、においにも敏感になっていることが多いため、においの強い食べ物は避けましょう。特に、納豆や青魚はにおいが気になるため、食べることが難しいと感じる場合が多いようです。そんな時には、どのような味付けであれば無理なく食べることができるかを色々と試してみる必要があるでしょう。例えば醤油味が食べられないのであれば酢を活用してみたり、ゴマやゆずなどで風味を加えたりしてみてください。こうしたひと工夫で食べやすくなる場合もあります。
甘みに敏感になるという人もいます。この場合は、どのような味付けをしても甘く感じてしまうため、砂糖やみりんを使うことは避け、味噌や酢などで味付けすると食べやすく感じられるでしょう。
味が感じにくい、という味覚異常が生じる場合もあります。このような場合、料理は熱いものや冷たすぎるものは避け、人肌程度のものであれば食べやすいと感じられると言われています。また、味付けに関しては酢などを活用し、酸味を利用するようにすると良いでしょう。香味野菜を利用して、味に変化をつけてみるのもおすすめです。
食べる前に水分を摂ったり、飴などを舐めたりすることで唾液の分泌が促され、味覚の異常が緩和されることがあります。
がん治療の中では、喉などに影響が出て食事が飲み込みにくくなるケースもあります。口内炎や喉の腫れ、神経の麻痺など考えられる原因はさまざまですが、このような場合の食事のポイントは下記の通りです。
煮ることによって柔らかく、飲み込みやすくした献立を考えましょう。汁物はもちろん、煮物などについてもとろみづけをすることによって食べやすくなります。
また、固形の食べ物に関してはそのまま食卓に出すのではなく、ミキサーにかける、すりつぶすなどの方法で調理すると、あまり苦労せずに食べられることもありますので、さまざまな方法を試してみると良いでしょう。
食事を摂る時にいつもむせてしまう場合には、姿勢が原因になっている場合もあります。これは、病院で医師や看護師などに聞いてみると、どのような体勢だと食べるときにむせにくくなるかがわかりやすいです。
食事で摂取できるもの以外にも、研究によってがんに対する効果が確認されている成分は色々あります。中にはサプリなどで摂取できる成分もあるので、食事療法と並行して取り入れるなど、手軽に活用することも可能です。
中には免疫細胞の活性化に関して正式な臨床データを持つ成分もあり、実際にがん患者の免疫機能を改善させたり、がん治療における副作用の軽減が確認されたりした例もあります。
免疫治療のノーベル賞受賞の影響もあり、現在、こうした成分は世界中で注目を集めています。もちろん、まだまだ研究途上の分野ではありますが、がん治療の助けとなる可能性を秘めていることは確かです。当サイトでも、信頼性の高い成分に関する情報をまとめているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。