古くから沖縄の特産品として親しまれてきたゴーヤ。今では全国津々浦々、どこに行っても一般的な食材として定着するまでになりました。近年では、このゴーヤの苦み成分が、がんの抑制に効果的という報告が挙がっています。良薬口に苦しと言いますが、果たしてゴーヤには、本当にがんを抑制する作用があるのでしょうか?ゴーヤのがん抑制作用について、科学的根拠を交えながら詳しく解説します。
ゴーヤとは、熱帯アジアを原産とするウリ科の植物。一般に「ゴーヤ」「ゴーヤー」「にがうり」などと呼ばれていますが、正式な学名は「ツルレイシ」です。
沖縄に住む方々をはじめ、私たち日本人にはお馴染みの野菜となったゴーヤ。旬の季節が来れば、ゴーヤチャンプルーが食卓に並ぶご家庭も少なくありません。その独特の苦味がくせになっている方も多いのではないでしょうか。
ゴーヤは、料理の食材として愛されているだけでなく、医学的な視点からも注目されている植物です。マウスを用いた実験では、制がん作用や血糖降下作用などが確認されたという報告もあります。
いまだヒトを対象とした十分な臨床試験は行われていませんが、今後の研究次第では、ヒトのがんに対する作用が発表されるかもしれません。
ゴーヤには、免疫力を高める力や、強い抗酸化作用があることが分かっています。以下、ゴーヤががんに効くとされる科学的根拠、および医療機関の意見などをご紹介します。
ゴーヤ1本あたりのビタミンC含有量は、レモン1個分を超える量と言われています。しかも、ゴーヤのビタミンCは加熱に強いため、調理したゴーヤでも豊富なビタミンCが残存しています。
ビタミンCには免疫力をアップさせ、様々な病気の予防・改善に貢献する効果があると考えられていますが、この点について、医療法人清友会笠松病院(岐阜県)の公式HPでは次のように説明しています。
血液中の白血球やリンパ球はビタミンCを多く含んでいて、それらは体の中に細菌が入ってくるのと戦います。また、自らもウイルスに攻撃をしかけるなど、攻めと守りの両面で体を守ります。
健康な人の体の中でも、1日にたくさんのがん細胞が生まれていると言われていますが、これらがん細胞を死滅させるのは免疫力。ビタミンCによる免疫力向上作用が、がんの予防・改善に貢献する可能性はあるでしょう。
加えて同院では、ビタミンCによるコラーゲンの生成促進作用によって、細胞間の連結力が強化してがん予防へとつながる、とも説明しています。
ビタミンCには様々な作用が知られていますが、抗がん作用もそのうちの一つ。現在、国内では「高濃度ビタミンC点滴」との名称で、がん治療を行っているクリニックも少なくありません。
超高濃度ビタミンC点滴療法は、ライナス・ポーリング博士(ノーベル賞2度受賞)によって発見された、驚くべき癌の代替治療法です。
その治療法は、『超高濃度ビタミンCは正常な細胞に影響を与えず、ガン細胞だけを殺す、副作用のない理想的な抗がん剤である』との驚くべき内容で、米国国立衛生研究所や米国国立ガン研究所によって発表されました(PNAS September 20, 2005. 102 (38) 13604-13609)。
宇都宮セントラルクリニックでは、抗がん剤や放射線などの標準治療と並行して高濃度ビタミンC点滴を受けることにより、より抗がん作用が高まると説明しています。
2018年4月、韓国の共同研究グループは、コロソリン酸による抗がん作用の可能性を示唆する論文を発表しました。
コロソリン酸とは、ゴーヤの苦味を構成する成分の一つ。研究グループは、がん細胞に対し、コロソリン酸が以下の3つのがん抑制に有効と報告しています
コロソリン酸は、ゴーヤのほかに、東南アジアなどに生息する「バナバ」にも豊富に含まれている成分。「バナバ」とは、東南アジアで古くから健康茶の原料として親しまれている植物で、フィリピンでは民間薬にも使用されています。
なおコロソリン酸は、がん抑制作用のほかにも、血糖の急上昇を抑制する作用があることで知られています。
コロラド大学がんセンター教授のRajesh Agarwal博士は、ゴーヤによる膵臓がんの抑制作用に期待を寄せています。
糖尿病が膵臓がんを悪化させるとの前提のもと、博士が注目した野菜がゴーヤです。博士は、中国やインドなどにおいて古くから糖尿病の治療薬としてゴーヤが使用されていたことに注目し、ゴーヤの膵臓がんへの作用について研究を開始しました。
マウスを使った実験を行った結果、博士はゴーヤが持つ膵臓がん抑制について有意な作用を発見。ゴーヤを与えたモデルマウスは、ゴーヤを与えていないマウスに比べ、膵臓がんの発症可能性が60%ほど低くったと報告しました。
現在、多くの研究者は、がん細胞に栄養を供給する媒体をカットする、という視点でがん治療薬の研究に取り組んでいます。
糖尿病は、膵臓がんを悪化させる媒体のひとつ。博士は、膵臓がん悪化の媒体となる糖尿病を抑え込むことで、膵臓がんのリスクを減らすことができると考えています。
ゴーヤは、日本では一般的な野菜としてスーパーなどで販売されています。時々ゴーヤを購入し、ゴーヤチャンプルーなどを作っているご家庭も多いことでしょう。
そのほかにも、ツナと和えたゴーヤサラダや、ベーコンとの炒めもの、ごま和え、佃煮など、ゴーヤは様々なメニューに使用可能です。
健康のために、ぜひ日常的にゴーヤを食べるようにしていきたいものです。
ただし、後で説明しますが、ゴーヤのサラダには注意してください。生のゴーヤには、妊娠阻害作用や流産誘発作用があると言われています。妊娠前後の女性は、加熱した後のゴーヤを食べるようにしましょう。
【マメ知識】ゴーヤの成分は加熱に強い
がん抑制作用が期待されるゴーヤの2大成分が、ビタミンCとコロソリン酸。一般的には、ビタミンCは熱に弱い成分とされていますが、ゴーヤに含まれているビタミンCは、逆に熱に強いことが特徴です。
たとえチャンプルーの具材としてゴーヤを加熱したとしても、他の野菜に比べて多くのビタミンCが残るはずです。生で食べることにこだわらず、自由にゴーヤ料理をアレンジして楽しみましょう。
また、コロソリン酸は、それ自体が熱に強いことが特徴です。湯煎したバナバの抽出液が健康茶として飲用されていることからも、コロソリン酸の熱への強さがうかがえます。
ゴーヤの苦味が好きではないという方は、ゴーヤ成分を配合したサプリメントを利用すると良いでしょう。
現在、錠剤のものを中心に、ゴーヤのサプリメントが数多く販売されています。水やお湯と一緒に飲むタイプのものなので、ゴーヤ成分の摂取を習慣化することは難しくありません。
ただし、ゴーヤの過剰摂取による健康への影響を考慮し、各商品に記載された摂取目安量を超えないように摂りましょう。
がんへの効果を期待してゴーヤを摂る場合、あらかじめ理解しておきたいいくつかの注意点があります。ゴーヤの摂りすぎによるリスクも含め、以下を十分に理解のうえゴーヤを摂るようにしましょう。
ビタミンCやコロソリン酸など、ゴーヤに含まれるいくつかの成分ががんの抑制に効果的であることは、マウスを用いた実験データなどで報告されています。ただし、ヒトを対象とした臨床試験は、まだ十分に行われていません。
マウス実験で有効性が確認された成分がヒトには有効でなかった、という事例は、過去にたくさんあります。たとえば、上でご紹介したコロラド大学の「糖尿病改善による膵臓がんの抑制作用」でも、マウスでの実験では有意な作用が確認されたものの、ヒトを対象とした臨床試験においては変化が確認されていませんでした。
ゴーヤががんに効くという可能性は十分考えられますが、現状では、治療方法とまでは言えないことを覚えておきましょう。
ビタミンCやコロソリン酸は、ゴーヤだけに含まれている成分ではありません。
たとえばビタミンCの含有量は、グラムあたりではピーマンやパセリ、ブロッコリー、カボチャなどのほうが豊富。コロソリン酸に関しても、バナバやシキオコシ、ヤナギラン、ホツツジなどにも含まれています。
これらの成分だけを根拠にするのであれば、ゴーヤのほかにも「がんに効果的」と考えられる食品はたくさん考えられます。
ゴーヤには妊娠阻害・流産誘発の恐れがあることが、マウス実験により分かっています。国立健康・栄養研究所では、妊婦や授乳婦に対し、ゴーヤの摂取について次のように注意喚起しています。
通常の食品として適切に摂取する場合は安全性が示唆されているが、動物実験ではニガウリ種子や生のニガウリ果実による妊娠阻害および流産誘発の可能性が報告されているため、これらを妊娠中に摂取することはおそらく危険である。また、授乳中の安全性については信頼できる十分な情報が見当たらないため、通常の食材として摂取する以外は避ける。
なお、同研究所が危険性を指摘している対象は、ゴーヤの種子や生のゴーヤ。加熱調理されたゴーヤについては、特に健康への影響はないと考えて良さそうです。
一部では、ゴーヤの摂取が原因で何らかの体調不良を起こした、という事例も報告されています。代表的なものは、下痢、胃腸障害、上腹部痛、頭痛などで、小児が痙攣や低血糖昏睡を起こした事例もあります。
もしゴーヤを食べた後に何らかの体調不良を自覚したら、何らかの成分が体質に合っていないのかも知れません。広く食べられている食材なので、多くの場合はそれほど心配する必要はありませんが、もし異変を感じた場合には、摂取を控えるようにしましょう。
免疫細胞を活性化させることのできる、臨床データのある成分もおすすめです。臨床結果の実績が認められている成分をデータとともにご紹介します。
RBS米ぬか多糖体は、米ぬかに約5%含まれる水溶性食物繊維(ヘミセルロースB)を原料とする成分。国内外28箇所以上の大学・病院の共同研究によって生まれ、がん細胞に作用する免疫細胞を活性化させるとして、70報もの学術論文や、140回以上の学会発表がなされました。研究は今なお世界中で行われており、免疫力の向上、抗がん作用、抗がん剤による副作用の軽減作用などが報告されています。
RBS米ぬか多糖体は、私たちが普段食べたり、化粧品として活用したりしている米ぬかとは別物。米ぬかに含まれる有用成分を体内で吸収できるように、独自製法で抽出したのが「RBS米ぬか多糖体」です。自宅で取り入れる際には、サプリメントなどの健康食品で成分を摂取する必要があります。
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RBS米ぬか多糖体は、さまざまな免疫細胞に対し働きかけます。例えば、体内に侵入してきたがん細胞やウイルス感染細胞などをいち早く感知し、攻撃する役割を担うNK細胞。RBS米ぬか多糖体は、免疫細胞の中でも優秀な攻撃役であるNK細胞を活性化させる働きをすることが臨床結果によりわかっています。
引用:Ghoneum M and G. Namatalla,87th Annual Meeting of the American Association for Cancer Research,1996
こちらは、ホルモン治療や化学療法などを受けたがん進行患者25名に行った実験の臨床結果です。RBS米ぬか多糖体を6か月間摂取してもらったところ、RBS米ぬか多糖体摂取後に25名全員にNK細胞の活性が見られたというデータが得られています。
このほかにも、さまざまな免疫細胞へのはたらきが報告されています。興味のある方は、臨床データをチェックしたり、米ぬか多糖体免疫研究会から詳しい資料を取り寄せたりしてみましょう。
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