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免疫細胞治療の
正しい知識

免疫細胞治療について知っておきたい基礎知識

免疫細胞治療とは、端的に言って「自分自身の力を信じ、自分自身の力で病気に打ち勝つ方法」です。免疫は、私たちの体に備わっている機能のひとつで、病気をシャットアウトする、もしくは病気にかかっても深刻な状態にしないようにするものです。

例えば、職場で風邪が流行していたとしましょう。特に何事もなくスルーできるときもあれば、高熱を出して寝込んでしまうこともあったでしょう。その時々の生活の状況を思い出してください。

熱を出して寝込んだときは、大多数の方が「残業が多かった」「心理的ストレスがたまっていた」など、健康的に好条件ではなかったはずです。疲れすぎやストレスは、私たちの身体から病気に打ち勝つ力を奪ってしまうのです。

病気を体外に追いやる力こそ、免疫力と呼ばれるものです。

注目されている免疫療法

注目されている免疫療法

現在、医療現場では免疫療法という治療法が注目されています。自己免疫力を活性化させ、人間が本来持つ自然治癒力によって様々な病気を克服していく、といった治療法です。

日本で免疫療法が始まったのは1970年代。有名な「丸山ワクチン」が免疫療法のスタートです。以後、免疫療法の研究は急速に進化し、現在ではがん治療の三大療法(手術、抗がん剤、放射線)の次に来る4番目の治療法として注目を集めています。

これまでのがん治療とはまったく異なった発想からの治療法ですが、マウスの実験をはじめ、実際にがんを患った患者における臨床実験でも数々の効果・実績をあげています。

免疫療法は副作用もほとんどない理想的な治療法ですが、他の治療法と比べると、まだ臨床研究が少ないことは否めません。患者の費用面での課題も残ったままです。これら課題を徐々に克服している段階が現在の免疫療法の位置づけと言えるでしょう。

免疫療法が、がん治療の四大療法の一つに位置づけられる日は、そう遠くないかも知れません。

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わたしたちの体と免疫の関係(イメージ)

わたしたちの体と免疫の関係~免疫細胞治療の基本~ Relationship

わたしたちの体と免疫の関係(イメージ)

では、免疫とは何を指すのでしょうか。毒素や病原菌などの異物が身体に進入したとき、抗体(異物と反応する物質)を作り発病・発症を抑制する力を免疫と呼びます。小さな病気を繰り返すたびに、私たちはその病気に強くなっていきます。

例えば、はしかなど子供の頃にかかるべくしてかかった病気は、大人になってから再度発症することはまずありません。この状態を「免疫ができた」といいます。

風邪をひいたときを思い出してください。だるいな、寒いな、と思ったらすぐに熱が出たり、咳やくしゃみをします。これこそ免疫細胞が風邪のウイルスと闘っている証拠。鼻やのどから入り込んだウイルスを身体の外へ出そうとくしゃみをしますし、ウイルスと闘う免疫細胞の影響で熱を発します。

これらは全て、生まれながらに身体に備わっている機能です。体内で発見された異物を追い出そう、攻撃しようとする、この免疫細胞の力が様々な病気にも重要な役割を持っていることは容易に想像できます。

わたしたちの体と免疫の関係(イメージ)

ここで、がん細胞と免疫細胞の関係を考えてみましょう。

毎日生まれては死ぬ細胞の中に「異常な性質」を持った細胞が生まれることがあります。これががん細胞で、免疫細胞はこれらの異常な細胞を排除しています。何らかの理由でがん細胞の増殖と免疫細胞の防御のバランスが崩れたとき、増殖したがん細胞が、やがて「がん」として認識されるようになるのです。

それでは、免疫細胞にはどんな種類があるのでしょうか。名称やそれぞれの働きを知っておきましょう。

・樹状細胞 体内に入り込んだ異物を発見するとそれを取り込み、分解し、異物の特徴をキャッチします。そしてその情報(抗原)をT細胞に伝え、攻撃するように指示します。

・T細胞 樹状細胞から情報を受け取り記憶すると、その対象に向けて攻撃を開始します。T細胞には特性の異なるさまざまな種類があり、制御性(レギュラトリー)T細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、ガンマ・デルタT細胞に分かれます。

・NK細胞 事前の情報(抗原)を必要とせず、自ら異物を感知して攻撃をはじめる免疫細胞。ナチュラルキラー細胞と呼ばれています。

・NKT細胞 NK細胞とT細胞の性質を併せ持つ免疫細胞です。

・B細胞 特定の分子に取り付く性質があり、これによって他の免疫細胞が攻撃しやすいよう目印をつけたり、異物の働きを阻止したりする働きがあります。

これらの免疫細胞は、「免疫細胞」と一言でまとめてしまうこともためらわれるほど、種類や働きは様々です。各々の性質を最大限に活かしつつ、病気への抵抗力を高めようとするのが「免疫細胞治療」です。

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効果的に働く理由(イメージ)

免疫細胞治療が効果的に働く理由 Reason

免疫細胞治療ががんをはじめとした病気に働く理由は、

・自分の身体に無理をさせない 自分自身の細胞の能力を高めたり、数を増やしたりして病と戦わせます。細胞の強化・増量に関して、ほとんど科学的な薬品には頼りませんので、身体を痛めつけることがありません。

・基礎的な体力を温存できる 化学薬品によって身体に無理をさせないということは、健康な細胞を失わずに済むということです。仮に科学的な薬品を使わざるを得ないときでも、基礎的な体力が温存できれば治療の期間、耐え延びることができます。

・外から叩くのではなく、自分の力で戦える 手術や抗がん剤、放射線治療は「医者頼み」「薬剤頼み」ですが、免疫細胞治療の“主治医”は自分自身の免疫能力です。切除や薬剤でダメージを受けることがないため、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質を指し、より人間らしく生活できることを示す)を損なわずに済みます。自分自身の体力や免疫力なくしては、病と正々堂々と闘うことができません。

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免疫治療の方法と流れ(イメージ)

免疫細胞治療の方法と流れ Flow

免疫治療の方法と流れ(イメージ)

では、免疫細胞治療とは、どのような方法があるのでしょうか。おおまかには、「非特異性」「特異性」に分類できます。

・非特異性 免疫細胞治療の歴史でいうところの第一世代である、免疫賦活剤(ふかつざい)のレンチナンやクレスチンを使用する「BRM療法」や、第二世代にあたるインターフェロン・インターロイキンを使用する「サイトカイン療法」は、免疫細胞そのものの働きを強化したり、数を増やしたりすることで、身体全体の免疫力を底上げする治療法です。異質な細胞に対して特定の働きをもつものではありませんので、がん細胞だけを狙って殺傷するようなことはできません。

免疫療法の第三世代にあたる「リンパ球免疫療法(活性化リンパ球療法)」は、異物(異質な細胞)を殺傷できる細胞(T細胞やNK細胞)だけを体外で育て、リンパ球の数を急激に増やしてから点滴などで投与します。この治療法には弱点もあり、がん細胞だけを特定して攻撃できるわけではないので、がん細胞以外の異常細胞を攻撃してしまい、効率よくがん細胞だけを減らすことができません。

免疫治療の方法と流れ(イメージ)

・特異性 免疫細胞治療の歴史では第四世代に位置する「ペプチドワクチン療法」や「樹状細胞ワクチン療法」では、体内から免疫細胞を取り出し、がん細胞の特徴、情報を教え込むことで特定のがん細胞を攻撃するよう仕向けます。

免疫細胞は、ペプチド(数個のアミノ酸からなるタンパク質)の構造を目印にして、正常な細胞と異常な細胞を判別し、異常な細胞のみを攻撃します。そこで、がん細胞から特有のペプチドを取り出してワクチンを作り、再度体内に投与することでがん細胞への攻撃力を高めよう、というのがペプチドワクチン療法の目的です。

樹状細胞は、免疫細胞の体内に侵入してきた異物の特徴を記憶し、その特徴を持つ異物だけを狙って攻撃するように教育する細胞。いわば、免疫細胞の司令塔の役割を担います。この樹状細胞にがん細胞の特徴を植え付けることで、免疫細胞が効率良くがん細胞だけを排除できるようにする治療法が「樹状細胞ワクチン療法」です。

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治療方法ごとの費用目安(イメージ)

免疫細胞治療の費用目安 Cost

「免疫細胞治療をがん治療に取り入れてみようか」と検討されている方にとって、実施しているクリニックや、その療法ごとにどのくらいの費用がかかるのかが気になるのではないでしょうか。

免疫細胞治療は、基本的に自由診療ですので、保険は適用されません。がんの三大治療法(手術・抗がん剤・放射線治療)との併用をするのが一般的ですが、免疫療法の料金目安を事前に知っておけば、慌てずにすみます。

免疫療法を行っているクリニックを5院ピックアップして、治療方法ごとに費用目安を記載し、更に各クリニックの特徴や代表的な治療方法の詳細をまとめています。

治療方法ごとの費用目安についてさらに詳しく
免疫療法の副作用(イメージ)

免疫細胞治療の副作用 Side effect

免疫治療の方法と流れ(イメージ)

免疫細胞治療が、より自然で効果を見込める治療法であることを理解してはいても、「副作用はないのだろうか」という不安が持ち上がるかもしれません。がんの治療といえば、抗がん剤や放射線治療によって健康な細胞まで痛めてしまう可能性も指摘されているうえ、実際にめまいや吐き気、倦怠感などに悩まされる方が大半だからです。

免疫療法は、自分自身の免疫細胞を取り出して、がん情報を教え込んだり、リンパ球を増殖活性化させてから体内に戻します。人間が本来持っている免疫力を高める治療であるため、手術や抗がん剤、放射線などのがん治療と比べて、副作用が少ないことが明らかになっています。

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