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6 今注目を集めている「オプジーボ」とは

世界で初めて承認を取得したPD-1免疫チェックポイント阻害薬

オプジーボは免疫治療薬のひとつであるニボルマブ(一般名、商品名がオプジーボ)のことで、世界で初めて承認されたPD-1免疫チェックポイント阻害薬(がん細胞が持つ、キラーT細胞の攻撃性を抑える「免疫チェックポイント」という仕組みを阻害する薬)です。これまでの免疫療法で使用されていた薬は、科学的な根拠に乏しく、効果が疑問視されていたものが多かったのですが、オプジーボは科学的に根拠が示され、効果があることが証明されている治療薬なのです。オプジーボの登場により免疫療法の効果が実証され始め、手術、抗がん剤、放射線に続く第4のがん治療として認められ、専門家の間だけではなく、一般的にも知られるようになってきました。

オプジーボの効果

がん細胞は自らの身を守るために、免疫システムにブレーキをかける仕組みを持っています。オプジーボはそのブレーキを解除することによって、免疫システムを正常化させ、免疫力を高める効果があります。メラノーマ(皮膚がん)患者の3割、肺がん患者の2割に対してオプジーボが有効だとわかっています。

これまでの免疫療法と
何が違うのか

人間の免疫システムにおいて、病原体やがんを攻撃する機能を担う免疫細胞「キラーT細胞」は、がんができると「異物ができた」という信号を受け、直ちにがん細胞を攻撃しようとします。しかし、がん細胞はキラーT細胞が近づいてくると、攻撃の必要はないという偽の信号を送って、攻撃の手をゆるめさせてしまう仕組みを持っています。キラーT細胞にブレーキをかけることで、がん細胞は攻撃を免れることができ、その結果がんは進行してしまいます。
これまでの免疫療法は、キラーT細胞のアクセル部分(攻撃しようとする仕組み)を強化させようという発想で行われていましたが、どんなにアクセルを踏んでもブレーキをかけられてしまえば、キラーT細胞は何もできません。
オプジーボは、がん細胞がキラーT細胞の働きを抑え込んでしまう「ブレーキ」を外すことで、がん細胞へ普通に攻撃できるようにしてしまおうという発想で開発された、免疫治療薬なのです。

ブレーキを外して
アクセル全開で
がんを攻撃

そもそも、攻撃役であるキラーT細胞はPD-1、がん細胞はPD-L1というブレーキ役の分子を持っています。がん細胞が持つPD-L1が、キラーT細胞の活性化を抑制してしまうブレーキ役であるPD-1と結びついてしまうことで、キラーT細胞の攻撃にストップがかかってしまうのです。キラーT細胞の攻撃が抑えられてしまった状態を、「免疫チェックポイント」といいます。
オプジーボは抗PD-1抗体を含んでいるため、PD-1とPD-L1が結びつくことを阻害することができます。
オプジーボが効果を発揮すると、キラーT細胞はがん細胞が発する偽の信号に惑わされません。ブレーキ作用が働かないので、キラーT細胞はアクセル全開でがん細胞を攻撃することができます。
キラーT細胞を活性させるアクセルと、がん細胞抑制させるブレーキを同時に作用させることで、これまでの免疫療法よりも、効率良くがんを体内から死滅させることができるのです。

オブジーボ治療の流れ

オプジーボ(ニボルマブ・抗PD-1抗体)の治療はどのように行われるのか説明します。

点滴で投与

オプジーボ(ニボルマブ・抗PD-1抗体)は静脈から点滴で投与し、通常1時間以上かけて行われます。キラーT細胞と併用する時は少量投与となるので、20~30分程度の投与時間で終了します。

投与するオプジーボの量

通常は患者の体重(2mg/kg)によって決まりますが、その他のがん免疫療法と併用する場合は通常時よりも少量の投与となります。

投与スケジュール

治療を行った次の日から最低14日間は休薬する必要があります。通常の場合、免疫治療は2週間ごとに行われるので、オプジーボを使った治療も2週間ごとの投与になり、そのサイクルで治療を続けます。

オプジーボの治療症例 Treatment cases of Opujibo

2014年にメラノーマの治療薬として承認されたオプジーボは、近い将来には抗がん剤治療を抜いて、がん治療の最前線に立つとも言われています。オプジーボによってがん治療に効果のあった症例を紹介しましょう。

  • Type 1 転移性メラノーマ
    (86歳男性)

    現在86歳になる男性は2014年7月、膀胱の結石手術を受けた際に粘膜にメラノーマが発見され、肺にも転移していることがわかりました。 メラノーマの治療では、一般的に腫瘍の切除手術が行なわれますが、他の臓器に転移してしまっている場合には抗がん剤による治療が中心となります。 しかし、男性は主治医と相談のうえ、当時発売されたばかりの免疫阻害剤オプジーボによる治療を受ける決断をし、3週間に1回の間隔でオプジーボの点滴治療を始めました。 5回目の点滴の後にCT撮影を行ったところ、膀胱と肺にあった腫瘍が消失しており、現在は健康な頃とほとんど変わらない生活を送っています。

  • Type 1腎盂がん右気管支
    縦隔リンパ節転移 (65歳男性)

    現在65歳の男性は、2年前に都内の大学病院で抗がん剤治療(シスプラチン+ジェムザール)をはじめ、手術、放射線、MVAC(メトトレキセート、ビンブラスチン、アドリアシン、シスプラチン)を行った後、再びがんが進行。抗がん剤や放射線照射を実施するも悪化してしまいました。 そこで、がん免疫療法(NK細胞投与)+オプジーボ(抗PD-1抗体)治療を 10回(2クール)実施。さらに、イピリムマブ(抗CTLA-4抗体) 2回の投与したところ、投与終了時には、がんの状態は悪化していましたが、3か月後にはリンパ節への転移が消失しました。 ※オプジーボは治療後すぐに効果が現われないことはよくある現象で、その後にがんが消失することがあります。

  • Type 3腎がん+肺・リンパ節転移
    (53歳男性)

    腎がんに肺・リンパ節への転移が認められ、 抗がん剤治療を行ったところ腫瘍が増大し、転移も拡大。医師からさらに強い抗がん剤を勧められ始めましたが副作用が強く中止となりました。 その後、免疫療法(NK細胞投与)とオプジーボの併用治療を行ったところ、わずか2回の投与で増大していた肺転移が消失。副腎やリンパ節も縮小しています。

  • Type 3乳がん術後再発、肺・脳多発転移(34歳女性)

    切除手術を行った後で乳がんが再発、肺や脳などへの多発転移も認められ、オプジーボ(抗PD-1抗体)とイピリムマブ(抗CTLA-4抗体)を投与しました。さらに2週間後、 がん免疫療法(NK細胞投与)とオプジーボの併用治療を行ったところ、当初は車いすでの通院がやっとだっのに、2ヶ月後には別人のように歩けるようになりました。

  • Type 3胃がん、肝転移
    (52歳男性)

    胃がんから肝臓への転移が認められた52歳の男性は、抗がん剤治療を行ってきましたが、効果は最大でも1mm縮小する程度にとどまっていました。免疫療法(NK細胞投与)2回とオプジーボ1回を実施したところ、3個あった肝臓への転移がんがすべて1cm以上縮小しました。(抗がん剤治療の10倍以上も縮小しました)

  • Type 3 子宮頸がん、腹膜播種、胸膜播種(42歳女性)

    現在42歳の女性は、子宮頸がん、腹膜播種、胸膜播種があり、初診時は抗がん剤の副作用で吐き気やだるさがあり、1週間食事すらできない状態でした。1クール5回の 免疫療法(NK細胞投与)とオプジーボ投与を行ったところ、胸水と腹水が消失。体調もよくなり食欲も戻っています。

  • Type 3 肝がん、腹壁転移、腹膜播種
    (51歳男性)

    現在51歳の男性は、肝臓がんから腹壁へ転移、腹膜播種をおこしており、寝たきり状態になって食べることすらままなりませんでした。しかし、1回のオプジーボ投与で立って歩けるまでに回復。食事も摂れるようになって、今後も回復が見込まれています。

オブジーボ治療の副作用・安全性

オプジーボをインターネットで調べてみると、重い副作用や死亡例に関する記事がたくさん出てきます。本当のところ、オプジーボの安全性はどうなのでしょう。

オプジーボの副作用

オプジーボの治療による副作用として一番重いのは間質性肺疾患ですが、このような重い副作用は、一般的な化学療法で副作用が起きたのが31%であるのに対し、オプジーボ治療では9%と、従来のがん化学療法にくらべて重い副作用が起こる割合が低いという報告があります。また、治療を中断しなければならないほどの重篤な副作用も化学療法に比べて低いことが明らかになっています。
なぜ副作用が起こるのでしょうか。
オプジーボは免疫反応を停止させるブレーキ分子に結合してブレーキを外してしまうため、体内にある「自分の細胞に攻撃をするリンパ球」の暴走を許してしまうことになるからです。つまり、副作用として現れる症状は、自己免疫疾患が悪化した場合の症状とほぼ同じになります。
症状としては以下のものが挙げられます。
●間質性肺疾患 ●重症筋無力症、筋炎 ●大腸炎、重度の下痢、吐き気や嘔吐
●I型糖尿病 ●甲状腺機能障害 ●肝機能障害・肝炎 ●神経障害 ●腎障害 ●副腎障害
●脳炎 ●重度の皮膚障害 ●静脈血栓塞栓症
このような副作用に対してクリニックではどのような取り組みをしているのでしょうか。

安全に治療するために

安心して治療を受けられるように、また、オブジーボによる副作用が現われた場合、クリニックではどのように対応しているのでしょう。一般的に治療を受ける前には採血による免疫反応性評価を実施し、治療を受けられるのかどうかの安全性を確認します。さらに、がん治療のこれまでの経過を詳しくカウンセリング。そのうえで、治療の内容や副作用、スケジュールについてもきちんと説明し、本人の同意を得ます。
さらに各クリニックでは、万が一副作用が発生した際の対応や連携して治療を行う医療機関の準備もしています。たとえば湘南メディカルクリニックの例を見ると…
●間質性肺炎の疑いがある場合
すぐにCTを撮ってすりガラス陰影を確認したうえで他院へ紹介する。
●副腎不全、甲状腺機能亢進低下の疑いがある場合
採血検査を毎回実施し紹介状を作成して早期に対応。
●大腸炎の疑いがある場合
院内の消化器内科専門医に相談し、必要があれば大腸ファイバーで診断・治療。
●肝機能、腎機能、貧血、糖尿病
毎回採血検査で数値を観察。
上記以外にも、必要に応じて紹介状を作成のうえ、専門の病院を紹介するなど連携をとっており、安心して治療が受けられる体制をとっています。

オプジーボに期待できること

がん治療の進化が加速!克服できる日も近い

2014年にメラノーマの治療への使用を承認されたのを皮切りに、2015年には切除不能な肺がんの治療、さらに2016年には腎臓がんについてもオプジーボの使用が認可されています。オプジーボはリンパがん、頭頸部がんなどあらゆるがん種に効くことがわかってきました。抗がん剤が効きにくいがん、転移がんや再発がんなど、すべてのがんを克服できる日も必ずやってくるのではないでしょうか。

イピリムマブとの併用で治癒率が飛躍的に伸びる

オプジーボ(抗PD-1抗体)とイピリムマブ(抗CTLA-4抗体)は全く異なる免疫チェックポイント阻害剤です。しかし、併用することでがん細胞を一層弱体化させ、免疫細胞をより強化することがわかっています。従来の治療では効果が得られなかったがんにも効果が期待できるのです。米国食品医薬局(FDA)はメラノーマにオプジーボとイピリムマブの併用を承認、142人に対する臨床試験でも奏効率が60%という結果が出ています。

オプジーボ治療を
行っているクリニック

  • 抗PD-1抗体(オプジーボ・ニボルマブ)を使った 湘南メディカルクリニックの
    「アクセル+ブレーキ療法」

    費用
    21,000円(税込)
    (免疫チェックポイント阻害剤治療1回の価格)
    湘南メディカルクリニック(サイトイメージ)
    独自のアクセル+ブレーキ療法®で効率よくがんを殺す

    免疫チェックポイント阻害剤オプジーボを併用した免疫療法の実績は、2009年3月~2016年8月までの間で1792名(女性:914名、男性878名)にのぼっています。※提携クリニック含む
    湘南メディカルクリニックでは、従来の「免疫を活性化させる」アクセル作用だけを強化した免疫療法と異なる『アクセル+ブレーキ療法®』という独自の療法を採用。アクセル(NK細胞の活性化)とブレーキ(がん細胞の抑制)を同時に行うため、NK細胞が活性化しやすく、がんも弱体化するため、効率よくがんを死滅させることに成功しています。

    湘南メディカルクリニックの公式サイトで
    ブレーキ+アクセル療法の詳細を見る
  • 免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1抗体)による 東京MITクリニックの
    免疫治療法

    費用
    216,000円(税込)
    (免疫チェックポイント阻害剤治療1回の価格)
    東京MITクリニック(サイトイメージ)
    オプジーボ単独の投与でがん治療

    免疫治療の最前線で経験を積んだドクターによる「チームがん治療」を軸に、多くの症例から個人にもっとも効果の高い治療を提供しています。東京MITクリニックが行うオプジーボ治療は、免疫系が過剰反応を引き起こすリスクを考慮して、他の免疫療法との併用治療は行なわず、オプジーボの単独投与に限っているのが特徴です。

    東京MITクリニックの公式サイトで
    免疫チェックポイント阻害剤の詳細を見る