ターメリック(ウコン)はがんに効く?研究データを詳しく解説

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ターメリック(ウコン)はがんに効く?

私たちの生活に身近なスパイスの一つであるターメリックは、インド原産の香辛料。カレーの黄色はこのターメリックによるものです。昔から薬としても用いられてきたターメリックは、近年ではがんに対する効果が注目され、世界中で研究が行われています。この記事ではターメリックに関する研究報告を取り上げ、がんとの関連について見ていくことにしましょう。

ターメリック(ウコン)とは

カレーを作る上では欠かせないターメリックはスパイスの一種であり、日本では「ウコン」とも呼ばれています。もともとインドが原産で、紀元前から栽培されてきたとされています。現在でもインドが世界一の生産量・輸出量を誇っており、その種類は約50種類ほど。インドだけでも約30種類ほどが栽培されています。

ターメリックは、根茎を水洗いして皮をむき、6時間ほど煮た後に天日干ししたものを細かく砕いて使用します。日本でも沖縄では煎じた「ウコン茶」を飲む習慣が昔からありましたが、ターメリックをそのまま舐めると苦味を感じるはず。ターメリックは香辛料としての利用が有名ですが、漢方薬など薬としても用いられているという面もあります。

黄色の着色料として有名

ターメリックは「ウコン」という呼称の他に「キゾメグサ」とも呼ばれています。カレーの黄色がターメリックによるものであることはあまりにも有名ですが、その他にも、からしや沢庵漬け、繊維の染料としても使われています。黄色いターメリックライスにも使用されるなど、様々な料理に着色目的で利用されています。

ターメリック=秋ウコン

多くの種類があるウコン。このウコンには大きく分けて「春ウコン」「秋ウコン」「紫ウコン」の3種類がありますが、ターメリックとは「秋ウコン」のことを指しています。

この秋ウコンは、秋に花が咲くことから名付けられたもの。3種類の中でも苦味が少なく、スパイスとして用いられることが多いものです。秋ウコンの根茎を割ると、鮮やかなオレンジのような、ウコン独特の色をしています。この色は「クルクミン」と呼ばれる成分です。

黄色の色素成分は「クルクミン」

クルクミンはポリフェノールの一種であり、ターメリック(秋ウコン)には非常に多く含まれることが知られています。ちなみに秋ウコンは、春ウコンの約10倍ものクルクミンが含まれていると言われています。

日本では二日酔いに効く成分として有名なウコンですが、欧米では抗炎症作用などに注目されています。

ターメリック(ウコン)ががんに効果的とする意見

まずはじめにご紹介するのは、国立健康・栄養研究所によるウコンに含まれるクルクミンの有用性と安全性についての報告となります。

一般的に秋ウコンおよび秋ウコンに含まれるクルクミンの効用として肝臓病・肝炎など肝機能に関連する疾病の予防と改善、糖尿病、高血圧、脂質代謝や動脈硬化といった生活習慣病に関連する疾病改善、抗炎症作用および抗腫瘍作用(大腸ガン、皮膚ガン、および乳ガンなどの予防・抑制効果)などが標榜されている。クルクミンの抗酸化作用はこれらの機能に関与する代表的なメカニズムの一つと考えられる。特に動脈硬化症発症の原因であるLDLコレステロールの酸化を抑制する作用(16)はクルクミンの抗酸化性による顕著な効果と考えられる。

引用元:永田純一(国立健康・栄養研究所 食品機能研究部)「ウコンの有効性および安全性」

続いて紹介するのは、ターメリックを摂取する食事療法を用いたところ、多発性骨髄腫を患っている患者が小康状態を保つことができた、という報告です。

多発性骨髄腫を患っていた67歳のアメリカ人女性が、2011年に従来の標準治療を完全に止め、1日8gのターメリックを摂取する食事療法に切り替えたところ、平均余命である5年を過ぎた現在に至るまで小康を保っていることが、世界最大級の症例報告専用データベース「BMJケース・リポート」で報告されたという。

記事内でアッバース・ザイディ医師が証言するには、今世紀でターメリックに関する研究は50例程度。これらは、複数のタイプのがん、アルツハイマー、心臓病、うつ病を予防する効果があることを示唆するという。また、術後の回復を速めたり、関節炎を治療したりする効果があるとされている。

引用元:Newsweek「がん抑制効果も⁉ ターメリックの効能に新説登場」

上記のような報告がされているものの、西洋医学ではターメリックに含まれるポリフェノール・クルクミンの研究が十分には進んでいないという理由から、実際に患者に対して処方されることは多くないようです。ただし、健康食品という意味であれば、日常的に取り入れても問題ないだろう、とまとめられています。

また、他の研究では、ハーブやスパイスに含まれる抗炎症作用が前がん状態の細胞の炎症を遅らせることができるということ明らかになっています。このことから、「ミクロレベル」で腫瘍の成長を予防できると考えられています。

ジンジャーとターメリックがこの種族でこれらは東南アジア、特に中国、インドで栽培され食事や薬として5000年も前から使われてきました。とても強力な抗炎症作用があるのはターメリックに含まれるクルクミンとジンジャーに含まれるジンゲロールです。

試験管培養されたがん細胞にクルクミンまたはジンジャーを入れたところ、効率的にCox-2(炎症時に過剰に産生される物質で慢性的に炎症を生じさせる)の生産をブロックしました。ターメリックを毎日摂ることで、血中の炎症誘発分子の量が低下しました。

引用元:ライフライン21 がんの先進医療「がん闘病に必要な食事と栄養」

ハーブやスパイスは、単体で十分な量を摂取するのは難しいため、日々の食生活の中で工夫して取り入れていくことが大切です。

がんへの有用性を否定する見解

がんを抑制する効果が期待できると非常に注目されているターメリックですが、その効能に多大な期待は禁物、とする見方もあります。

素晴らしい効能を示した研究なのですが、いずれも濃縮されたクルクミンの消費を前提としています。つまり飲み物や夕食に振りかけるくらいでは足りないのです。2006年出版の「栄養学とがん」によると、クルクミンが占めるのは、5mgの乾燥した純粋なターメリックの中の3%程度にすぎません。

引用元:MYLOHAS「知っておくべき「ターメリックの本当のところ」 その効能と欠点を専門家が分析」

料理にターメリックを使うことは何の問題もなく、むしろ料理のアクセントになりますが、ターメリックを少しふりかけたくらいでは健康に多大な効果があるとは考えないほうが良い、という見解もあります。どうしてもターメリックから健康効果を得たい場合には1日500mg程度の摂取が必要で、通常料理で使用するよりもさらに濃縮したサプリなどを利用するべきであると言われています。

また、ターメリック摂取における安全性についてはラットやモルモット、猿による実験が行われており、安全性も高いと考えられています。さらに、人間においても1日8g、3ヶ月間の摂取でも安全に摂取することができたとのこと。しかし、肝臓への影響について懸念する声もあり、下記のように言及されています。

ウコンの摂取目安が10g/dayでクルクミンの含有量が約3から4%であることを考えれば、安全性が非常に高い成分であると思われる。しかしその一方で、大量摂取による肝臓の脂肪変性が示されるなど、摂取量による機能性と安全性に対する疑問点や他の構成成分の影響などは明確に示されていない。

引用元:永田純一(国立健康・栄養研究所 食品機能研究部)「ウコンの有効性および安全性」

以上のことから、通常の摂取では多大な健康効果が顕著に現れることは期待できないものの、健康に害を及ぼすことはないと考えられています。しかし、大量に摂取する際には肝臓へ影響を及ぼしたというケースもあるため、注意が必要です。

ターメリック(ウコン)の摂取方法

ターメリックを摂取する方法として多くの人が思いつくのが「カレー」の香辛料として利用することではないでしょうか。他にもターメリック単体のスパイスも販売されているため、炒め物に利用するという方法もあります。特にターメリックは油との相性が良いため、オイルやバターとともに調理することで吸収率もアップします。

また、ターメリックを利用したドリンクも販売されています。牛乳や豆乳と混ぜることで手軽に摂取できる商品もありますので、あまり手間をかけたくない場合にはこのような商品を利用するのも良い方法と言えるでしょう。

ターメリック(ウコン)を摂取する際の注意点

新潟薬科大学とライナスポーリング研究所の共同研究事業:微量栄養素情報センターにおけるクルクミンの研究報告によると、下記のような報告がされています。

ターメリックを香辛料として食事で摂取しても妊娠や授乳に悪影響があるというエビデンスはないが、妊娠期や授乳期におけるクルクミンのサプリメント摂取の安全性は確立していない。

引用元:微量栄養素情報センター「クルクミン」

以上のことから、妊娠中・授乳中における摂取に関してはかかりつけ医への相談をした上で摂取をすることが望ましいと言えるのではないでしょうか。

また、下記の症状がある人については、ターメリックの摂取を控えるべきとされています。

  • 黄疸
  • ヘルペス
  • 自己免疫性疾患
  • ウイルス性肝炎
  • 慢性肝炎
  • 肝硬変
  • 胆嚢炎
  • 消化性潰瘍
  • 胆石
  • 尿路結石

ターメリックはサプリメントとしても市販されている食品ではありますが、上記の通り重篤な症状に陥る例が報告されているため、特に肝障害を持つ患者は注意が必要です。

いずれにしても、持病を持っている人が摂取する際には主治医へ相談するのがよいでしょう。

参考文献・参考サイト