コーヒーはがんに効く?研究データを詳しく解説

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コーヒーはがんに効く?

嗜好品として、多くの人に飲まれているコーヒー。そのコーヒーにがんの予防効果がある、という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ここでは、とても身近な飲み物であるコーヒーとがん予防との関連性について、さまざまな研究データから見ていくことにしましょう。

コーヒーとは

コーヒーとは、コーヒー豆を乾燥させてから焙煎し、粉砕してお湯で抽出した飲み物を指します。コーヒーの起源とされるものはいくつか説がありますが、そのうちのひとつが、ヤギがコーヒー豆を食べているところをエチオピアの羊飼いが見て飲用を発見した、というものがあります。

いずれにしろ、まず中世期にヨーロッパで広まって以来、世界中で飲まれるようになったコーヒーは、江戸時代後期にオランダ人の手によって日本に伝わってきました。

コーヒーに含まれる成分

カフェイン

コーヒーに多く含まれる成分はカフェインです。カフェインが含まれる飲み物は紅茶やウーロン茶などさまざまなものがありますが、その中でもコーヒーのカフェイン量は非常に多いものとなっています。

ポリフェノール

カフェインと比べるとあまり知られていないかもしれませんが、コーヒーにはポリフェノールも多く含まれていることがわかっています。ポリフェノールが多く含まれる飲み物というと赤ワインを思い浮かべる人が多いかと思いますが、実はコーヒーにも赤ワインに匹敵する量のポリフェノールが含まれているのです。

コーヒーががんに効果的とする意見

コーヒーにはさまざまな健康効果が期待されており、コーヒーの摂取により全死亡リスクや心疾患や脳血管疾患、呼吸器疾患による死亡リスクが減少するという報告があります。

さらに、がんとコーヒーの摂取による関連性についても研究が行われています。

人間の体内には脂質が存在していますが、この脂質が酸素と結びつくことで酸化、いわゆる体がサビついてしまったと言われる状態になります。脂質が酸化すると「過酸化脂質」となり、フリーラジカルと呼ばれる物質が発生します。

このフリーラジカルがDNAに影響を与えて突然変異のきっかけを作り、がんの原因になるのではないかと考えられています。しかし、コーヒーに含まれるポリフェノールには脂質の酸化を抑える働きがあり、がん予防に効果があるのではないかと考えられるようになりました。

ここから、コーヒー摂取とがんの関連性についていくつかの研究をご紹介します。

まず、宮城県内で行われた調査の解析結果に関するものです。1990年の6月から8月にかけ、宮城県内に住んでいる40〜64歳までの男女5万1921人について、生活習慣病や健康状態に関するアンケートを配布。その中で回答があり、かつその回答に不備が無かった3万8679人について分析が行われています。

コーヒーを飲む量によって対象者を3つの群に分けて、口腔、咽頭、食道がんの発症リスクを比較しました。そ の結果、コーヒーを飲まない群と比べて、コーヒーを飲む群の口腔、咽頭、食道がんの発症リスクは5割程度低いことがわかりました。コーヒーを「飲まない」 と答えた人の口腔、咽頭、食道を全て合わせたがんを発症するリスクを1とすると、「ときどき飲む」と答えた人のハザード比(相対リスク)は0.54、「1日1杯以上飲む」と答えた人では0.51でした。また、口腔と咽頭がん、食道がんに分けた解析でも同様の傾向がみられました。

引用元:東北大学大学院医学系研究科医科学専攻 社会医学講座公衆衛生学分野「コーヒー摂取と口腔、咽頭、食道がん発症リスクの関連について:宮城県コホート研究(pdf)

さらに、前立腺癌診療ガイドライン2012年版によると、コーヒーの摂取と前立腺がんの間には何らかの関連性があり、前立腺がんの予防に有効な可能性がある、と報告されています。

コーヒーと前立腺癌のリスクについては一定の見解を見ていないが,最近米国から報告された5万人の男性を20年間経過観察した大規模なコホート研究では,多量のコーヒーの摂取は進行前立腺癌の発症リスクを低下させたと報告している。

引用元:Minds ガイドラインライブラリ「(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2012年版」

また、「定期的にカフェインが入ったコーヒーを摂取することにより、治療後の大腸がんの再発を防ぐ可能性がある」とダナファーバー癌研究所により報告されています。

Journal of Clinical Oncologyで発表された研究によると、ステージ3の大腸がんで、外科手術と化学療法を受けた全患者において、1日に4杯以上(約460ミリグラムのカフェイン)のコーヒーを摂取することが最も有効であった。これらの患者はコーヒーを飲まない患者よりがんの再発が42%少なく、がんまたはその他の原因による死亡が34%少なかった。

引用元:海外癌医療情報リファレンス「毎日コーヒーを摂取することで大腸がん患者の生存が改善する可能性/ダナファーバー癌研究所」

上記の研究によると、コーヒーを2〜3杯摂取した患者にはわずかな利益が認められたものの、1杯以下しか摂取していない場合はほとんど大腸がん再発との関連性は見られなかった、ともCharles S. Fuchs医学博士・公衆衛生学修士が率いるグループの研究者らによって報告されています。

ただし大腸がんの治療中であり、現在コーヒーを飲む習慣がないのなら、まずは主治医に相談するべき、ともFuchs博士は述べています。

ただし、上記のように「がん予防にコーヒーの摂取が効果的な可能性がある」とする報告がある反面、コーヒーの飲み過ぎは乳がんを増速する可能性があるかもしれないという内容の報告や、女性の胃がんリスクを高める可能性があるとの報告もあるため、コーヒーの過剰摂取には十分に注意する必要があると言われています。

コーヒーの摂取方法

がんの予防を期待してコーヒーを摂取する場合には、「1日あたり4〜5杯」が妥当な摂取量だそうです。

健康維持を目的としてカフェインを摂取する場合、1日あたりの摂取量は成人の場合は400mg未満に抑え、1回の摂取量が200mgを超えないようにすることが必要であるとされているためです。

コーヒーを摂取する際の注意点

さらに、がんの予防を期待してコーヒーを摂取する場合には、下記のような注意点が挙げられます。

  • 1日の摂取量を守る
  • 基本はブラックコーヒーで摂取する
  • 病院に通っている場合には主治医に相談をする

上記で紹介した通り、1日の摂取量の目安は4〜5杯程度とされています。これは、カフェインの過剰摂取は健康に害を及ぼす危険性があるため。具体的には、頭痛や不眠、嘔吐、下痢などを引き起こす可能性があるため、過剰摂取を避ける必要があると言えます。

また、基本はブラックコーヒーの形で摂取するのが望ましいです。クリームや砂糖などを入れて飲むと、糖分を摂りすぎたり、カロリー過多になる可能性があるためです。どうしてもブラックでは飲めない、という場合には、少量のみの使用で我慢しておきましょう。

また、何らかの疾病の治療中であり、これからコーヒーを飲み始めようと考えている場合は、念のため主治医に相談してみることが必要になってくるでしょう。摂取量などについては、主治医の指示に従ってください。

参考文献・参考サイト