ブロッコリーはがんに効く?研究データを詳しく解説

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ブロッコリーはがんに効く?

スーパーなどでいつでも見かける野菜、ブロッコリー。一般的な野菜で多くの人が口にしているものですが、近年行われているさまざまな研究により、ブロッコリーに含まれる成分には強力な抗がん作用があると報告されています。このページでは、いくつかの研究によりブロッコリーとがんの関連についてご紹介した上で、摂取方法や摂取する上での注意点について説明していきます。

ブロッコリーとは

ブロッコリーとは、一般家庭でもよく食べられているアブラナ科の野菜。地中海沿岸原産のキャベツを改良したものと言われており、イタリアから広がったもの。

カロテンとビタミンCに加え、葉酸も豊富なので、栄養面でも非常に人気のある野菜です。近年では国産のブロッコリーも多くなってきており、スーパーや産直などに足を運ぶと、地元でとれたブロッコリーを目にする機会も多くなってきたのではないでしょうか。

ブロッコリーががんに効くという説の科学的根拠

では、ブロッコリーとがんの関連についての研究データを見ていくことにしましょう。

イソチオシアネートは発がん物質の排出が期待

ブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜には、「イソチオシアネート」と呼ばれるDNA損傷の原因となる発がん物質の排出を高める作用を持つとされている物質が多く含まれています。中でも、肺がんのリスクを低下させる可能性に期待が持たれています。

国立がん研究センターでは、アブラナ科野菜摂取と肺がん罹患との関連を調べ、その結果を2017年、専門誌である「Journal of Nutrition」で発表しています。調査の内容としては、45歳から74歳の8万人を対象に、食物の摂取頻度について質問。その中からアブラナ科野菜の摂取量を推定して摂取量ごとに男女別のグループに分け、各グループの肺がん罹患リスクを調べるというものでした。結果は、男性全体では、アブラナ科野菜摂取量と肺がんリスクとの間に有意な関連性は確認できなかったものの、アブラナ科野菜の摂取量が多い非喫煙者では、肺がんリスクが51%低くなっていました。

一方、女性のグループでは喫煙状況別のデータでもアブラナ科野菜摂取量と肺がんリスクの関連性は確認できなかったそうです。

スルフォラファンによる作用

また、イソチオシアネートの一種であるスルフォラファンにも注目が集まっています。

ブロッコリーには、イソチオシアネート系の化合物の一種である「スルフォラファン」が含まれていますが、このスルフォラファンには強力な抗がん作用があり、がんを予防するために食べたい野菜として紹介されています。

ブロッコリーに含まれているスルフォラファンは、イオウ化合物の1種で強力な抗がん作用があります。

引用元:総合南東北病院「がんを予防するために食べたい野菜」

上記のように発表を行なっている総合南東北病院は、厚生労働省によって「がん診療連携拠点病院」として指定されており、がんに対して質の高い治療ができる病院とされています(2019年4月現在、全国に392拠点)。

また、米ミシガン大学薬学部製薬科が行ったマウスを使った実験によると、スルフォラファンによりがん細胞の増殖能が低下したという結果が報告されています。

さらに、ヒト乳がんの培養細胞にもブロッコリー抽出物から得られたスルフォラファンを投与したところ、がん幹細胞が減少したとのこと。

乳がんのモデルマウスにブロッコリー抽出物から得られたさまざまな濃度のスルフォラファンを注入し、その後に腫瘍のがん幹細胞数を算定した。その結果、スルフォラファン投与後にがん幹細胞は大幅に減少したが、正常な細胞にはほとんど、または全く影響がなかった。

さらに、スルフォラファンを投与したマウスのがん細胞では、増殖能が低下していた。また、ヒト乳がんの培養細胞にも同様の実験を行った結果、スルフォラファンによって、がん幹細胞が減少することが示された。

引用元:山脇内科小児科医院「ブロッコリー」

さらに、このスルフォラファンには、放射線の増感作用があることが発見されたという報告もあります。

典型的ながん細胞である「Hela細胞」をスルフォラファンで前処理をした後、X線で照射を行うと、前処理を行わなかったがん細胞と比較して、細胞の生存率が優位に減少したという結果となっています。

細胞培養実験と動物実験により、がん予防に効果を示すことで有名なブロッコリースプラウトなど からの抽出物であるスルフォラファンに、放射線に対する増感作用があることを世界で初めて確認しました。将来的には、放射線と化学物質スルフォラファンとを併用するがん治療法が考えられ、新しい化学・放射線療法の可能性を開くものと期待しています。

引用元:放射線医学総合研究所「ブロッコリーの抽出物スルフォラファンに放射線の増感作用があることを発見~がん治療において 放射線との併用療法への可能性~」

上記の研究内容から、がん治療において放射線治療と併用することで、新しい治療法の可能性が開かれるのではないかという期待も持たれています。加えて、重粒子線と併用した場合についてもどのような結果が得られるかについても注目されており、研究が進められています。

ブロッコリーの摂取方法

ブロッコリーは一般的な野菜のため、通常通り食事の際に摂取することをおすすめします。

ただし、スルフォラファンはブロッコリーそのものよりも、ブロッコリーの新芽である「ブロッコリースプラウト」の方に多く含まれているとされています。その差は約20倍。効率よくスルフォラファンを摂取したいと考える場合には、ブロッコリースプラウトを摂取するという方法もあることを覚えておきましょう。

ブロッコリーに関する注意点・リスク

スルフォラファンを生成するには、ミロシナーゼと呼ばれる食物酵素が不可欠。しかし、ミロシナーゼは熱に非常に弱いため、加熱することで壊れてしまいます。そのためスルフォラファンの摂取を目的としてブロッコリーを食べる場合は生で食べることが理想的と言われています。

ただし、少しでも熱を通した状態で食べたいのであれば、下記の調理方法を心がけましょう。

  • 熱湯での茹でこぼしはしない
  • 蒸す場合は3〜4分までに抑える

といったように、極力熱を通さず、歯ごたえを感じる程度で食べる必要があります。

参考文献・参考サイト