りんごはがんに効く?研究データを詳しく解説

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りんごはがんに効く?

秋から冬にかけて旬を迎える、りんご。近年の研究では、その栄養素ががんに対する効果を持っているという報告が行われました。そこで、いくつかの研究を取り上げながら、りんごとがんの関連性について見ていきましょう。

りんごとは

アジア西部からヨーロッパの南東部が原産地と言われているりんご。その歴史は約4000年も前から栽培されていたと言われているように、非常に歴史のある果物です。

食物繊維「ペクチン」が豊富に含まれる

りんごには水溶性食物繊維である「ペクチン」が豊富に含まれているという特徴があります。ペクチンにはコレステロールの吸収抑制のほか、ブドウ糖の吸収を穏やかにするなどの効果があります。日常的にりんごをよく食べる人は食後の血糖値の上昇が少なく、満腹感が続きやすくなるという調査結果もあります。

ポリフェノールも豊富に含まれる

りんごには100種類以上のポリフェノールが含まれています。このポリフェノールのうち、主なものとして「エピカテキン」「プロシアニジン」「アントシアニン」の3つがあり、特にエピカテキンは高い抗酸化作用を持ち、免疫力を高めるとされています。

りんごががんに効果的とする科学的根拠

さまざまな研究結果から、りんごとがんの関連性について報告されています。

りんごの有効性を示唆する研究

アサヒビール株式会社R&D本部みらい技術研究所と弘前大学医学部の共同研究により、りんごポリフェノールが持つがん細胞の増植抑制作用の有用性が確認されました。この研究は、皮膚がん細胞および乳がん細胞をマウスに移植した上で、りんごポリフェノールの水溶液を摂取させるグループと摂取させないグループにわけ、生存日数と腫瘍のサイズを比較したものです。

その結果、リンゴポリフェノールによってガン細胞の増殖すなわち腫瘍の増大が抑制され、ガン細胞を移植されたマウスの生存日数が伸びることが明らかになりました。

また、その細胞の遺伝子発現を解析することにより、リンゴポリフェノールはガン細胞のアポトーシス(細胞自殺)を誘導することにより、細胞の増殖や腫瘍の増大を抑制することが示唆されました。さらに、培養細胞に対する投与実験より、リンゴポリフェノール中の主要成分であるプロシアニジン(ポリフェノールの一種)のみを培養細胞に投与した場合、ポリフェノール全体を投与する場合の5分の1の量で抗腫瘍効果を示したことから、ポリフェノールの中でもプロシアニジンが抗腫瘍に特に有効な成分群であることもわかりました。

引用元:アサヒビール株式会社「『リンゴポリフェノールの抗ガン作用』についての学会発表について」

上記の実験により、経口摂取したりんごポリフェノールには抗がん作用があることが確認されています。さらに、りんごポリフェノールに多く含まれる「プロシアニジン」という成分には抗腫瘍作用があると判明しました。このことから、りんごポリフェノールのさらなる応用が期待されています。

また、りんごの食物繊維である「アップルペクチン」に注目し、放射性物質の除去やがん予防について研究した報告もあります。富山医科薬科大学の名誉教授である田澤博士による著書(「りんごの力(ダイヤモンド社)」)の中では、チェルノブイリの原発事故により被曝した子供を対象として行った調査が紹介されています。

これはベラルーシのシルバースプリングスに住む子ども615人を対象に行った調査。21日間アップルペクチンを服用してもらい、その前後のセシウム137の集積量を調べたものです。

アップルペクチンを服用した子どもの減少率は63.6%ですが、服用してない子どもは13.9%にとどまっています。驚くべき差です。アップルペクチンが体内汚染を除去すること、それもかなり効率がよいことを、この実験は物語っています。」(同著)そしてそのメカニズムについて、「ペクチンは消化管の中にある放射性物質を吸着して、自分が便として出される時に、これを一緒に運び出しているのです。

引用元:株式会社ピーエス「りんごはスゴイ!放射性物質除去からガン予防まで」

また、田澤博士はアップルペクチンが抗がん作用を持つという内容の研究を発表しています。

博士が行ったのは、60匹のラットを3つのグループに分けて行った実験です。1つ目のグループにはアップルペクチンが入っていない基礎食、2つ目のグループにはアップルペクチンを10%混入したエサ、そして3つ目のグループにはアップルペクチンを20%混ぜたエサを与えています。さらに、全てのラットに発ガンを促す物質を投与し、観察を行いました。

基礎食を与えたラットの発ガン率は100%、10%ペクチン投与群は70%、20%ペクチン投与群は45%。アップルペクチンを多く与えた群が発ガン率が低いことがわかりました。

また、これを裏づける為、腫瘍や炎症のバロメーターとなるプロスタグランジンE2を測定したところ、ペクチン投与群は非投与群に比べて1/4という結果でした。つまりアップルペクチンは、腫瘍や炎症を引き起こす腸内腐敗菌を抑制する(静菌作用)ことがわかったのです。

引用元:株式会社ピーエス「りんごはスゴイ!放射性物質除去からガン予防まで」

アップルペクチンに関する「対放射線作用」と「抗がん作用」については、「腸の働き」が重要であるとされています。

アップルペクチンを摂取することにより腸内の働きを改善して便を排出。腸内細菌のバランスを改善することによって自己免疫力が強化されたため、上記のような結果が得られたと考えられています。

りんごの摂取方法

りんごは焼きりんごやジュース、干しりんごなどさまざまな製品として販売されていますが、もっともりんごの栄養素を摂取できるのは生で食べること。加工されたものは生と比べてビタミンや食物繊維が少なくなり、エネルギーの摂りすぎにも繋がりやすいためです。

なお、りんごのポリフェノールは、果肉に比べて皮の方が多く含まれています。その数値はなんと約4倍。可能であれば皮も一緒に食べたほうが良いと言われています。

参考文献・参考サイト