乳がん(イメージ)

乳がんの免疫療法症例 Breast cancer

ホルモンの影響を受けるがん―女性のみならず男性も

乳がんは乳腺という組織に発生します。年間4万人近くが乳がんと診断されているというデータもあるほどで、近年ではピンクリボン運動で早期発見が呼びかけられているほどです。女性においてはホルモンに関連する病気、男性においては変異遺伝子が原因ともされます。乳がんは触れてわかる数少ないがんのひとつですから、定期的なチェックを行いたいものです。

Recovery Case

免疫療法の症例
~乳がんの場合~

  • case1

    症例写真 画像引用元:瀬田クリニックグループHP(http://www.j-immunother.com/case/case026) 左乳がんから全身へ―【化学療法・ホルモン療法拒否】乳房に違和感を覚えながらもそのまま、他の部位の痛みや息の苦しさで受診しがんが発覚。抗がん剤などの副作用が怖く拒否、樹状細胞ワクチン療法(免疫療法)でがん減少。

  • case2

    症例写真 画像引用元:ニューシティ大崎クリニックHP(http://www.nco-clinic.jp/case/nyuugan.html) 乳がんから肝臓へ―【手術・抗がん剤・ホルモン療法効かず】乳がんから肝臓へ転移、手術などで一旦肝臓がんは消失したものの、再度肝臓への転移。抗がん剤とともに高活性NK細胞療法を併用し肝転移は消えその後の再発はなし。

  • case3

    乳がんから肺がんへ―【手術不能、両方の肺へ転移】左乳房のがんから両肺への多発転移、手術も不可能だったものの、NK細胞療法と抗PD-1抗体治療(免疫療法)でほぼ消失。

  • case4

    左乳がんから両肺へ―【乳房全摘出拒否】左胸にしこりを感じて受診、乳がんステージⅠ。全摘出といわれたもののがん部分のみと希望。のちに咳で肺への転移が発覚、抗がん剤が辛く免疫療法へ切り替えたところ8ヶ月でほぼ消失。

  • case5

    乳がんから骨へ―【多発性骨転移、根治を希望】乳がんを全摘出して5年、骨転移を確認。根治を希望したため抗がん剤ではなく免疫治療を希望、複数の治療法の組み合わせにより1年でほぼ消失。

乳がんの免疫療法事情

自覚症状や検診の早期発見ができれば、望ましい治療経過を期待できるのが乳がん。近年では、乳がんの免疫療法に期待が高まっています。主な3種類の免疫チェックポイントを阻害する薬剤で、悪性腫患者の延命に成功しているからです。

アイコン 臨床試験に期待が高まる

ここ数年間で、乳がんの治療方法は改善し続けてきました。しかし、再発や転移性の乳がんに関しては、現在でも治療が困難です。そんな中「テキサス大学MDアンダーソンがんセンター」の研修者たちが、患者の免疫を活性化させる手法に取り組んでいます。また、免疫療法に関連するたくさんの臨床実験も行っているのです。

「インターフェロン」や「インターロイキン-2」といった、以前からある免疫療法では、乳がん患者に十分な免疫反応が出ませんでした。しかし、免疫チェックポイント阻害剤やワクチン療法の進化で、乳がんの免疫学も急速に進歩しています。他の種類のがんで、免疫療法が飛躍的進化を遂げたことにより、乳がん向けの免疫療法にも期待が高まっているのです。

アイコン 免疫チェックポイント阻害例

細胞傷害性Tリンパ球抗原、PD-1リガント、プログラム細胞死タンパク質1などの免疫チェックポイントがあります。その免疫チェックポイントを阻害する薬剤によって、転移性悪性黒色腫患者(てんいせいあくせいこくしょくしゅかんじゃ)の生存期間が伸びており、乳がんに有効であると判明。

乳腺腫瘍内科の准教授であるリットン医師は、抗PD-1抗体の早期試験のほかに、転移性乳がん患者を対象とした併用療法の担当医を務めました。その結果、反応が見られた乳がん患者は、長期にわたって効果が見られたのです。さらに、全国的に行った試験では、数年のあいだ効果が続いたトリプルネガティブ乳がんの患者さんも数名いて、革命的な治療となりました。

乳がんに効果的な治療法

手術(外科療法)

ステージ1~3の乳がんだと、手術が必ず必要です。乳房にできた「がん」と「がん組織を含んだ周りの組織」を一緒に切りとります。

現在では、乳がんの手術は世界的にも「切開部位の縮小化」の傾向にあります。日本は欧米に比べて遅れていましたが、確実に縮小化が進んでおり、2000年以降には「乳房温存術」が、手術全体の40%を占めるまでになりました。

放射線療法

放射線には、がん細胞を消滅させる効果があり、照射を行った場所にだけ効力を発揮する局所療法です。外科手術でがんを取り除いたあとに、乳房や手術箇所の再発を防ぐための目的で行われます。

照射する範囲は、病原のある箇所や病状の進行度によって選択。副作用は、正常組織に放射線がかかることによって起き、照射された領域に含まれる臓器に出現します。

薬物療法

乳がんに処方される薬は「化学療法」「ホルモン療法」「新しい分子標的療法」の3種類に分類されます。薬や個人差にもよりますが、多少の副作用が予想されるので、得られる治療効果について説明を十分に受け、理解することが大切です。